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「仁王くん、今日は保健室だったの?」 急にかけられた声に少し体を揺らしてから振り向けば隣の席のがいた。 ピンクのプラスチックの眼鏡と元々色素の薄い茶色い髪がよく似合う。 どこをどう見ても俺とは正反対。 つまらない授業は基本サボるか寝ている俺とは違ってはきっとサボるどころか寝たことすらないだろう。 今だって腕には英語の辞書とテキストを抱えている。 次の時間は英語か。 そう思いながらふとの言葉を思い出す。 「なんでそう思うんじゃ」 俺がサボる場所と言えば決まって屋上だった。 自分から誰かに話すことは無かったが、丸井あたりがうっかりばらしてしまったのだろう。 まぁ、ばれたからと言って教師が咎めることも屋上に来る奴が増えたわけでも無かったから別段困りはしなかったのだけれど。 だから、今日も屋上に行っていると思われているのだと思っていた。 「だって仁王くん、ほっぺに幸せの痕があるよ」 やんわりと笑顔を作りながらはい、と手渡された鏡を受け取る。 普通より少し小さめのその鏡を覗き込めば頬には随分薄くはなっていたがはっきりと赤い線がいっていた。 明らかに枕か髪の毛の痕だろう。確かにこれは屋上で寝たところでつくような痕ではないなと理解してから鏡をに返す。 「で、その幸せの痕ってなんじゃ?」 素直に枕の痕だと言えばいいものを、と思いながらに問いかける。 するとはきょとんとした顔を見せてからにっこりと笑んだ。 「だって、幸せそうだから。こんなに気持ちいい日にあったかいお布団で寝れるなんて、それも学校の日なのに!」 少し興奮したように話すの顔はきらきらとしていた。 今まで抱いていたイメージは実は偽者だったのだ、と思った。 こんなに綺麗に笑顔を作る奴はいないだろう、とも思った。少なくとも俺は知らない。 おもしろい、そう思った。をもっと知るのはきっとおもしろい。 サボろうと誘ったところできっとは乗ってこないだろう。 だからとりあえず俺が授業に出ようと思う。 席替えまであと2週間ほど。隣の席の特権を使うのも悪くない。 自己完結して笑みを零せばは不思議そうにしながらも、仁王くん、幸せそうだね、とまたあの綺麗な顔で笑むのだ。 everything so far away MANY THANKS!! ((plan :> 42様 title :> terzo dito様)) |