† 演奏会&ぱーてー潜入レポート †

神カツァリスとのファーストコンタクト…

ここではメンバーが聴き、目のあたりにした

その全てをお伝えして行こうと思います。

夢醒めやらず…おお神よ、あなたはやはりすごかった…


王子リサイタル  2004.10.14 Thu.

待ちに待ったカツァリスとの初対面の日。この日、鑑賞するのは日本での最初の公演となる銀座、王子ホールでのリサイタル。最寄の地下鉄出口でかきちゃんと待ち合わせ、18:00の開場と同時にいそいそと会場へ乗り込む。

この日のプログラムは「モーツァルトファミリー」。アマデウス・モーツァルト他、モツ(以下省略)の父レオポルド、息子フランツ・クサヴァーらが作曲した、または姉ナンネルのために書かれた、とにかくモツ一家の曲だけで構成されたかなり痛いプログラムだ(涙)。モーツァルトすらろくろく理解できていないというのにパパモツやモツせがれ、おまけに姉モツまで!!ムルモこの日の楽しみは生カツァリスの姿を拝めること…ただそればかりだったのだ。プログラムを眺めながら「やっぱり来週のハクジュ公演がメインだよね〜!!シューマン、ショパン聞かなきゃ〜♪」などとかきちゃん相手に愚痴をこぼしていると、いよいよ開演を知らせるベルがなり、ついに神カツァリスの登場!!舞台左手の袖から出て足早にステージ中央に歩いてきたカツァリスはにこやかな表情。左手をピアノに置き、右手を胸に当てると客席を見渡し優雅に挨拶。右へ、左へ、そして中央へ…そしてピアノに座ったかと思うやいなや、何のためらいもなくパパモツ(レオポルド作曲)のソナタ第3番ハ長調を弾き始めた。実はムルモたちの席は舞台に向かってかなり右手寄り。1番前の列ではあったものの、その位置からはでかいピアノが邪魔になり、ペダルを踏む足しか見えなかった。そのためよくはわからなかったのだが、もしかするとカツァリスは椅子に腰をかけると同時に、すでに始めの1、2音は引き始めていたのかもしれない。それくらい突然な演奏を始めるカツァリスは、やはり聞いていたようにとてもせっかちな性格のようだ。

さて、こうして始まったカツァリスのリサイタル。その模様をレポートする前に、まずはこの日のプログラムを紹介しておこう。

【レオポルド・モーツァルト】
・ソナタ3番ハ長調
・おもちゃの行進曲
・「ナンネルのための譜面帳」より
  メヌエット 第5番 ヘ長調
  メヌエット 第11番 ヘ長調

【アマデウス・モーツァルト】
・「5歳の習作」より
  メヌエット ト長調 K.1
  メヌエット ヘ長調 K.2
  アレグロ 変ロ長調 K.3
・カプリッチョ(ナンネルのための4つのプレリュード)K.395

【フランツ・クサヴァー・モーツァルト】
・「6つの感傷的なポロネーズ」より第2番 ホ短調 Op17
・歌劇「ドン・ジョバンニ」のメヌエットによる7つの変奏曲

――――――休憩(20分)―――――――

【アマデウス・モーツァルト】
・歌劇「後宮よりの逃走」より 序曲とアリア(カツァリス補完)
・交響曲40番 ト短調 K.550 (フンメル編)

モツアレルギーのため、まったくモツのよさが分からないムルモには曲の解説などはとても出来ないが、とりあえずいかにもモツチックな曲が次々と演奏され、プログラムは前半最後のとなるクサヴァー(モツせがれ)の曲へ。と、ここで神カツァリスは突然、ピアノから立ち上がり「レディース&ジェントルメ〜ン」とおもむろに客席に向かって語りだした。ここでも直前に演奏した曲を弾き終えるか否かというタイミング、しかもその表情が一見、何やら困ったように見えたため「ピアノのコンディションが悪いからやめます」とか「やっぱり気が乗らないので終わります」などと何か断りのようなことを言い出すのかと一瞬、場内には緊張が走った。しかしよくよく、その後の言葉を聞いてみれば、それはどうやらフランツ・クサヴァーの説明のようである。「ロマンこそ少ないがよい作曲家だ」とか何とか、そんなことが言いたかったらしい。(後日談になるが、この解説は次に行われた高松公演では見られなかったという。クサヴァーに興味はないが、そう聞くと何だか得した気分♪)そして前半の演奏を終えたカツァリスは笑顔で舞台の袖へ。2度ほど観客の拍手に答えステージに出て来ると客席の照明がつき休憩タイム。ロビーに出て「ものごっついピアニスト、シプリアン・カツァリス」サイトの管理人U−YANさんたちとしばし歓談。カツァリスの爪の音やペダル使いなどについて談義に花を咲かせる。

20分の休憩をはさんでプログラムの後半。再登場のカツァリスは手に紙切れをもって現れた。ピアノの前に行き、譜面台を立てるカツァリス。どうやらそれは楽譜のようだ。しかし譜面台にそれを置くのかと思いきや、カツァリスは無造作にピアノ右手に楽譜を置いて「後宮よりの逃走」の演奏を開始。曲はよく分からないものの、煌びやかな美しい音色を堪能することしばし。曲がやんだと思うとまたもや突然、カツァリスは目にも留まらぬ速さで置いてあった楽譜を譜面台に立て、ついで恐るべき早業でメガネまでかけると何事もなかったような涼しい顔で演奏を続けた。会場ではあちこちで「くすっ」といった笑いが起こる。後になってU−YANさんに聞いた話では、あの紙切れに書かれたものこそカツァリス自らが補完した部分とのこと。カツァリスはその補完した部分が弾きたいがために、きっとこの曲を演奏したのだろう…なのだそうだ。カツァリス様〜それなら暗譜しておいて下さいよ〜(ぼそっ)何事かと思ったじゃないっすか(汗)しかも自分で作ったというのに!!(笑)

ラストにはモツにうといムルモでも聞いたことのある交響曲40番、ト短調(フンメル編)が演奏され、これにて本日のプログラムは全て終了。割れんばかりの拍手とともに退場したカツァリスは2度ほど挨拶に現れた後、聴衆に応えアンコールへ。

アントニオ・ゴメス  変奏曲
ボルトキエヴィッチ  ピアノのための3つの断章
バッハ(ゼガッティ編)プレリュード

カツァリスはアンコールでも、演奏を始める前にボルトキエヴィッチについて「有名ではないけれどよい作曲家だ」などと観客に向かって愛想よく解説をしていた。2曲終わったところでカツァリスは退場。再度アンコールに応えて出てきたカツァリスはステージ中央に立ち「トゥナイト、ラストオーダー」と言って指を1本立て、いたずらっぽい顔で笑った。そしてなんとも響きの美しいバッハのプレリュードでいよいよ演奏会はフィニッシュ。ピアノに置いてあった白いハンカチをとってピアノから立ち上がったカツァリスは、お辞儀をしようとしてハンカチを落とし、すぐに拾うが掴みきれずといった様子でまた落とし…しかしにこやかな挨拶を丁寧にすると、颯爽と舞台の袖へと消えて行った。さっさと帰りだすとんでもない不貞の輩が数名はいたものの、カツァリスが退場した後もしばし拍手は鳴り止まなかった。

と、本来なら演奏会の興奮はここで終わるはずである。しかし今回のムルモたちのお楽しみはこの後。憧れのカツァリスを拝めはしたものの、カツァリスの演奏でなかったら間違いなく爆睡していただろうプログラムに何故ムルモが2時間半も耐えられたのか!?実は演奏終了後、U−YANさんたちの好意で神カツァリスから直接、サインをもらえることになっていたムルモだったのである。ぐひゃひゃひゃひゃ。客のほとんどが帰った後、ロビーでカツァリスを待つこと30分。エレベーターのドアが開くと神カツァリスが降臨!!衣装を脱いだカツァリスは黒のコートにノーネクタイの白シャツ、グレーのパンツという案外地味な姿。そしてピアノの前…つまり舞台の上では大きく見えるその御姿も、近くでみると案外小柄だ(170cm)。エレベーターから降りたカツァリスは他に数人いたファンとにこやかに交流。笑顔でサインに応じ必ず2、3言会話をして握手、写真にも愛想よくポーズをとっていた。

招聘元にコネがあり、カツァリスとも面識のあるU−YANさんやcopinさんのおかげで、あえて順番を最後にしてもらい、次の人を気にすることなく神との遭遇を果たすことが出来たムルモ。どきどき…いよいよムルモの番。前に進み出るとカツァリスは緊張してこわばっているムルモに「ハッロ〜!」と陽気な声をかけてくれた。テンパりながらもふと頭のどこかで「こんばんわなのでは…」という考えが横切ったものの、とっさに「は、はろ〜」と返事をしてしまったムルモ。う〜未熟なり。開演前に購入しておいたカーネギーホールライブのDVDを見せ「オートグラフ プリーズ」カツァリスが「どこにする?」と聞くので「ここ、ここ」と日本語で指をさし、DVDに書かれたフォントと重ならない位置にサインをもらう。続いてすかさず今回のリサイタルのパンフレットを差し出し「ワンモア プリ〜ズ」カツァリスはこれにも快くサインをしてくれた。そして最後に「フォト プリ〜ズ!!」前もって携帯を渡して写メ撮影を頼んでいたかきちゃんの方を指差すと、なんとカツァリス、かきちゃんを見ながら冷やかすような口調で「ユア ボーイフレンド? ン〜?」とムルモに聞くではありませんか!!「NO!」まず大きな声で即答。「No,No,Non,Non!」続けて英仏織り交ぜダメ押し。カツァリスは笑っていた。かきちゃんは苦笑いしていた。ムルモはちゃっかりカツァリスにぴとっとくっついてスマイル♪カツァリスはサービスでムルモに手を回してくれたのだが、そのゴッドハンドは何故かムルモの襟首に!そしてムルモはいつの間にやら生襟首をゴッドハンドにナデナデされてしまっていたのである。肩こりは治りませんでした(笑)。「サンキューーー!!!」最後にカツァリスと握手をして神との遭遇は終了。カツァリスの手は50を過ぎた男性にしてはしなやかで柔らかく、手のひらもすべすべとしていた。きゃ〜ぴ〜〜〜!!!!アメージング!ファンタスティック!アンビリーバボ〜!ブラ〜ボ〜!!まるで夢のようなひと時だった。その後、サインをもらったDVDを改めて見てみると、そこにはカツァリスのサインとともに「Friendry」の文字が!!はぅ〜U−YANさま、copinさまのおかげです〜(感涙)。これは一生の宝物にするつもり。来週はいよいよショパンプログラムのハクジュ公演。そして公演後にはウェルカムぱーてーも待っている。ひゃ〜楽しみだぁ♪わたくしはますます神のとりこになりました。

【カツァリスの演奏を目の当たりにして】

カツァリスはやはりライブを見た方が、より一層よいピアニストだと思った。なぜならタッチの深さや感情とともにコロコロと変わる表情や、それによって繰り出される多数の音色も堪能できる上、カツァリスがピアノと一体となり、演奏を心から楽しんでいる様子を見ることが出来るからだ。困ったような顔でのpp、軽快なフレーズは観客を見ながら。苦痛に耐えるような表情のff他、天を仰ぎ見るような仕草やペダルを踏む足をぱっと跳ね上げたり…といったような熱演の様が見られるのはライブならでは。ちょっと体を揺らす程度で熱演ぶっている他のピアニストより数段情熱的なピアノワークが拝めるのだ。座席の関係でペダルしか見るところがなかったため、特に神のペダルさばきをじっくりと観察してみたが、カツァリスはペダルもすごい!!たっぷり余韻をとるところではいつまで踏んでいるのかと心配になるほど踏みっぱなし。かと思えばスローモーションのコマ送りのように少しずつペダルを上げていく繊細さ。浅く、踏んでいるかいないか位の微妙なコントロールも神業級。モツプログラムということもあるが、カツァリスは往々にしてペダルは少なめ。ここ1番、必要な時に必要なだけ踏むといった感じの実に効果的なペダルワークを繰り出す。それでいて常にピアノが歌っているから音色も響きもものすごく美しい。拝啓ピアニスト様「ミケランジェリ」のところでミリ単位のペダルワークについて触れているが、カツァリスだって負けてはいない。右のペダルもミケ様なみに細かい完璧な制御がされていて、右ペダルだけ軽く踏んでいる場面も多く見られた。前述のペダルのパフォーマンスは曲の場面が変わるところでペダルを切る時に、ものすごい勢いで足をバッと跳ね上げ「そんな奥まで…」と思うほど椅子の下に跳ね上げた足を織り込むというものだった。その派手さたるや、モツの優雅な音楽が流れる中、突然バッという音がしたため、うとうとしていたジジイどもが「何事か??」と一斉に起きたほどだ(笑)。モツが退屈でも音色くらい堪能しろっちゅうの!!そうそう、カツァリスの音色は生で聞いても相変わらずの美しさ。相変わらずの艶っぽさ。カツァリスが弾けばあのモツでさえロマン★他のピアニストのリサイタルではもう満足出来ない!!かもな神カツァリスの演奏なのであった。





白寿リサイタル  2004.10.20 Wed.

ようやく神のショパンが聞ける日がやってきた。この日のプログラムはどれもこれもムルモの好みの曲ばかり!!ろま〜んなプログラムである。

【シューマン】
・蝶々
・予言の鳥
・花の曲
・アラベスク
・子供の情景

――――――休憩(15分)――――――

【ショパン】
・ワルツ3番「華麗なる円舞曲」
・夜想曲1番
・夜想曲14番
・練習曲12−9
・練習曲25−4
・3つの新練習曲2番
・練習曲25−12(大洋)

【バッハ】
・トッカータとフーガ(カツァリス編)

にこやかに登場したカツァリスは今回も椅子に座ると同時に演奏を開始。ムルモ本日の座席は正面席。王子の時にはよく見えなかったが、今日実際に弾き始める場面を見てみると思ったとおり、座りながら手はすでに鍵盤に置かれている状態のカツァリスなのであった。プログラムの始めはシューマンづくし。第1曲目、蝶々が始まったその瞬間、ムルモは全身に鳥肌が立った。王子の時より数倍、音が美しい。どうやら白寿ホールは音響がとてもよいようだ。王子でも美しいと思ったが、今日の音は想像をはるかに超える美しさだったのだ。いつも美しいカツァリスの音色がさらに透明感を増し、それでいてグッと深く広く、どこまでも響いていきそうな神のピアノ。1曲目にして思わずため息が漏れる。シューマンの演奏はその響きが夢想的なメロディとよく合い、カツァリスらしいロマ〜ンなピアノ。技巧に特筆すべき工夫を凝らしたり、斬新な解釈を盛り込むというようなことはせず、シューマンらしい甘い旋律を大切にした正統な演奏だった。子供の情景は特に素晴らしく、トロイメライなどではうっとりしすぎて思わず、あっちの世界に連れて行かれるかと思ったほどだ。今回は王子のモツプログラムに比べ、ロマンな曲ばかりで構成されているため、カツァリスの演奏もパフォーマンスが振るっていて、弾いた手をゆっくりと高く上げて鍵盤におろす、離した手で円を描くような仕草をするなど、音以外のところでも間や香りを演出する場面が多く見られた。

ショパンのワルツは「ショパンを弾く」でのレッスンとは違い、テンポも割りと速めで全体的にさらりとした演奏。演奏会バージョンということなのだろうか?夜想曲はなんといっても14番が美しすぎた。ピアノがメロディをものすごくたっぷりと歌っていて、優雅で洗練された夢のような演奏だ。10番勝負で「カツァリスとポロネーズの相性がよい」と書いたムルモだが、カツァリスの音色には夜想曲もよく似合うということを再認識させられた演奏だった。どうしたらあんな風に弾けるのか…曲を堪能しつつ、しばし頭をひねる。そしてお楽しみのエチュード。エチュード集を録音していないカツァリスの演奏が生で見られるとあって、メンバーは始まる前から超期待。特にムルモは人間が弾くところを見たことがない「大洋のエチュード」をとても楽しみにしていた。超絶技巧の持ち主で鍵盤の魔術師と言われるカツァリスのエチュード。やっぱりこれもすごすぎた。今日は手がよく見えたため、エチュードでは特にそのゴッドハンドに注目…まぁよくもあれだけ指が廻るものだ!!当たり前の話だが4、5指が完璧に独立していて、それぞれの指が意思を持った生き物のように鍵盤を捕らえている、といった感じなのだ。今回のエチュードは公演中に選曲されたもので(プログラムにはエチュードとだけ書かれ、曲は当日のお楽しみということになっていた)聞けばカツァリス、リサイタルの前日に徹夜で練習しての演奏だったという。それでも4曲を通して「エチュードくらいは朝飯前」の余裕ある演奏で、特に大洋のエチュードは珍しく始まってすぐの辺りでミスしたものの、次々畳み掛けるような凄まじいド迫力で大海原を表現。そして中盤は打って変わったような重厚感ある、タッチの深い個性的な演奏で左手の音もすごく聞かせていた。ラストは左手の深い余韻に官能すら漂わせ、鋭く激情のフィニッシュ。いや〜ん凄すぎる!!しかし…もちろん惜しみない拍手が湧き上がったものの、そこでは大洋の余韻に浸る間もなく、いよいよ本日の大とりとなるトッカータとフーガの演奏が始められる。「す、すげ〜〜(唖然)」感想はこれに尽きる。はっきり言って、何と表現しようか長いこと考えているが、あの演奏を賞賛する言葉が一向に見つからないのだ。もはやこの世に存在する言語には、神の演奏を表現する言葉はないと思われ…。オクターブ連打では早送りをしているような目にもとまらぬ速さで手が動き、分厚く重厚でたっぷりとした深い余韻。ピアノ1台にして胸にズンズン響く圧倒的な音量。そしてさらには驚異的な跳躍、超人的な指さばき…カツァリスにはきっと見えざる第3の手があるに違いない。交響曲9番で多重録音の疑いをかけられるような爆演も、あれなら間違いなく出来ようというものだ。驚嘆?震撼?この曲が始まった瞬間、ムルモは我知らず身を乗り出してしまっていたし、周りで寝ていたジジイやそれまでボーっと眺めていた隣の女もあっけにとられたような顔でぽかっと口を開いていた。この曲が始まった瞬間、会場の雰囲気が明らかに変わったのだ。演奏もさることながら、このトッカータとフーガを弾くカツァリスのパフォーマンスがこれまたかっこいい!!鍵盤に手を戻す帰りに天を指差して左手を高く掲げてみたり、両手が離れる間に椅子を持ち「ガン!」と一発床をならしてみたり、熱演のあまりペダルに足をかけたまま一瞬立ち上がって演奏してみたりと、カツァリスの気合がびしびしと伝わってくる演出も見事な演奏だったのである。会場に漂う張り詰めた空気と緊張感――そう、それはまるでカツァリスと観客との真剣勝負のよう。演奏が終わるとあちこちからブラボーの声が上がり、割れんばかりの拍手が沸き起こった。しばし拍手は鳴り止まず、カツァリスが満足気に微笑んで退場した後も観客のほとんどは興奮が収まらないようだった。ムルモの目も点。そしてあまりのことに茫然自失。カツァリスが退場し、はっと我に返った時には思わずため息をついて、座席にもたれてしまったほどだ。きっとムルモはカツァリスのトッカータとフーガで魂を抜かれてしまっていたに違いない。おおカツァリス、あなたは何と恐ろしい人だ…。手が痛くなるほど拍手をし、会場も興奮状態のままアンコールに突入。

・シューベルト    セレナーデ
・モーツァルト    パンとバター
・カラスコ       アディオス
・ポルトキエヴィッチ ピアノのための3つの断章
・モツパパ      おもちゃの行進曲

セレナーデは音色がなんとも切なげ、パンとバターは右手人差し指1本でかわいらしい演奏、アディオスはロマンティックと楽しめるアンコールだったのだが、ムルモの頭の中ではこの時にもまだトッカータとフーガが流れていて、魂の半分は戻ってきていない感じだった。はっきり言って白寿でのアンコールは今思えばあまり印象に残っていない(もったいないけど 泣)

白寿公演は音、演奏ともにとてもすばらしいものだった。U−YANさんと話をしたところ、昔から何度となくカツァリスのリサイタルに足を運んでいる彼ですら「これまでの演奏で1、2位を争う素晴らしい演奏でしたよ」という名演だったようだ。それにしてもこんなに素晴らしい演奏だったというのに、私の前には演奏中にメールをし、おまけにその携帯を落としやがった○○女がいます!!(怒怒怒)遠慮のかけらも見られないような豪快なくしゃみをするジジイも!!(怒怒怒)ちっ!おととい来やがれ!!(激怒)にもかかわらず素晴らしい演奏を続けるカツァリスの集中力はブラボーだ!!カツァリスがミケランジェリのような人でなくって本当によかた〜!!(笑)カツァリスに乾杯。






カツァリスを囲む会  2004.10.20 Wed.

リサイタルの後には「ものごっついピアニスト」のU−YANさんが幹事となって「カツァリスを囲む会」というパーティが開かれた。プチホテルのラウンジを貸しきった、参加者30名ほどの濃厚なパーティ。カツァリスが現れるまでかきちゃんがカツァリス自作の「吟遊詩人と姫君」や「英雄」「ペトラルカのソネット104」などを弾き、待つこと30分。ついに神降臨。愛想よく「こんばんわ〜」と入ってきた神は、あの凄まじいトッカータとフーガを演奏していた人物とは思えないほど穏やかで優しげ。王子の時にも感じたことだが、近くでみると本当に舞台で見るよりもだいぶ小柄だ。会場は入り口の両脇にソファセットが並べられ、中央通路に料理の置かれたテーブル、そして一番奥にピアノというレイアウトがされている。にこやかに挨拶をしながらピアノの脇の席に案内されたカツァリスは、ピアノの前まで来ると演奏しているかきちゃんに「ブラボー」と拍手。かきちゃんにとっては、ずっと長いこと恋焦がれてきた思いがようやくかなった瞬間だったに違いない。カツァリスが席につくとU−YANさんの進行でいよいよパーティがスタート。まずはカツァリスの長〜い挨拶から。

こんばんわ。今夜はこうして素晴らしい場所で、素晴らしいひと時をみなさんと過ごせることになり光栄です。日ごろ支援をしてくださることに感謝します。

音楽を心から愛することを社会につなげることはとても重要です。このところ地球上では、もう何年も…たとえば核などの危機にさらされています。技術的には目覚しい発展を遂げている社会ですが、その根本は昔から何も変わりません。不変的な文化や音楽は、精神的なところでずっと同じスタンスでなければならないのです。「アンティ・ドット」という言葉があります。病気になった時、その病気にスポットで効く――という意味で使われる言葉で、狂気や馬鹿げたことが起こる社会にはこの「アンティ・ドット」としての文化や音楽がとても重要になってくるのです。単なる娯楽としてではなく「アンティ・ドット」としての存在。

私は小さな頃からそういった精神に興味をとても持って来ました。心理学やヨガにも興味があります。精神的な現象にもまた興味を持っています。歴史的なセオリー、哲学だけでは私は満足できません。色々なところにリアリティーがあって、それら(セオリーや哲学)が全てのことを満足させらるわけではありません。 哲学や宗教は生活を向上させる時にだけ役に立つものです。人生そのものを理解することが大切、1番大切なのです。

エルロラン・ラバートという作家が書いた「ダイアティニクス」という本があります。私はこの本を27年前に読みました。「ダイアティニクス」とはギリシャ語で「心を通して」という意味の言葉です。この本は1950年に出版され、50カ国以上の国で翻訳、2000万部以上売れてニューヨークタイムズ1位になった素晴らしい本です。ラバートはフロイトよりも深い。本を書くために行ったリサーチも膨大で、講演も5000回以上行って来ました。彼は新しく「サイエントロジー」という学問を確立しました。これはラテン語で「新しく研究して知ること」を意味します。少し仏教に似ている学問です。論説的な意味のテクニックではなく、技術や知識を日常生活に取り入れようという学問なのです。問題というのは原因そのものを取り除かない限り解決されません。トム・クルーズやジョン・トラボルタもこの学問の支持者で、トム・クルーズは先日来日した折、この「サイエントロジー」を小泉さん(小泉首相)に渡しました。今日起こっている野蛮なことにとって、この地球上で起こっていることにとって大変重要なので、この場で長くみなさんにお話することをお許しください。ラバートは教育や誰もやろうとしなかった麻薬中毒者の更正にも力を入れており、これによって79%の中毒者が立ち直ったという実績を持っています。「ダイアティニクス」は今、日本でもキャンペーンをしています。広告を見たらぜひ買ってみてください。

プロの音楽家となり、私は長いことピアノを弾いてきました。よく「ピアノを弾く上で1番大切なことは何ですか?」と聞かれます。しか技術はさほど重要なものではありません。音楽を通じてコミュニケーションすることが1番重要なのです。私はたくさんの録音をしてきました。メジャーレーベルは今、クラシック音楽には興味を示さず、たとえお金に余裕があってもそのだいぶぶんはポップスにつぎ込まれ、クラシックには3分の1程度という配分になってしまうでしょう。最近、このような事態を受けて、演奏家が自分でレーベルを立ち上げるケースが増えています。自分にとって何が大事か、何を残すのか、選択できる自由があることは非常に重要です。なぜなら私が死んだ後もその精神とともに音楽は残るからです。私のレーベル「Piano21」は21世紀の始めの年の1月2日に立ち上げました。私は常に現実とのバランスを考えて演奏しています。例えばポルトキェヴィッチばかりのプログラムでは思っているほどお客は来てくれません。モーツァルト、シューマン、ショパンを演奏する中にポルトキェヴィッチを入れると、演奏を聴いて興味を持ってくれた人がCDを買ってくれるのです。最近ではキューバ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルなどの音楽や、まだ出版されていない曲などを録音したいと思っています。CDを作るにはお金がかかります。回収するには4、5000円かかりますが、マーケットは傾いています。今は昔の作品…これまでのラジオ、プライベート、スタジオ録音などと融合させた作品を作っています。例えばライプチヒ(ドイツ)のラジオ局で25年前に録音した「ラフマニノフのピアノ協奏曲3番」を発売することにしました。また30年前、リストのソナタを演奏した時に、誰かが私的に録音した音源が残っており、音などはあまりよくありませんが、そうしたものも考えています。

以上がカツァリスの挨拶の全文である。通訳の方が人前で話すことにかなり緊張されていた様子が見られた上、カツァリスが長いセンテンスで次から次へと話すため、がんがんメモしてきたものをこうしてつなげてみると「?」と思うようなところもあるけれど、あんまり細かいことは気にしないことに。とにかくこのような恐ろしく長く、精神論にまで触れたありがたい説法を聞くこと20分。ようやく乾杯になり、しばしお食事タイム。カツァリスは演奏前は食事をしないのか相当空腹だったらしく、トマトソースをかけたカツレツやらパスタやら、フルーツなどをモリモリ食べていた。酒もたばこもやらないカツァリスなのだが、この日はかなりご機嫌だったようで、神は自らビールを所望。日ごろカツァリスに接している人が口をそろえて「珍しい〜!!」と驚いていた。食事が済むとカツァリスはまず6歳の女の子と連弾。カツァリスは案外子供好きらしく、にこにことしながら楽しそうな演奏。演奏が終わると女の子の頭を優しくなでて何やらほめ言葉をかけた。

このパーティの企画を立てている時から、VIVAのメンバーに色々と配慮をしてくれていたU―YANさんとcopinさん。当日までの打ち合わせで「連弾やってみたら?」とお誘いを頂いてはいたものの、前日になっても連弾できる曲が見当たらず、U−YANさん曰く「じゃあバラードの連弾でいいじゃないですか!!」つまり片手ずつ神と一緒に弾かせてもらえばいいという、冗談なのか本気なのか分からない話のまま迎えたパーティ当日。女の子の連弾が終わったところで突然「かっき〜連弾行きましょう!!」U−YANさんに声をかけられ、もともと連弾したいと言っていたかきちゃんはいそいそとピアノへ。バラ2を弾く。詳しくは本人の感想文におまかせ。でもかきちゃんは相当緊張したらしく「手が震えた〜もっと練習しとけばよかった〜!!」と後になって述懐。いや〜それでも元から上手な人はそれなりに弾けてましたって!!ええ、ええムルモに比べたらね…(泣)

かきちゃんが弾いている最中「ムルモさん、次いけますよ。いっちゃいましょう!!」と声をかけに来てくれたU−YAN氏。

ム「えーーホントに弾くんですか?無理ですよ〜(涙目)」
う「いいから、いいから、早く!!」
ム「まじっすか? (滝汗)」
う「大丈夫ですよ。さぁさぁ」
ま「じょる〜一生の思い出ですよ〜ガンバって下さい★」

と、まりりんにもせっつかれ、ムルモは「恥は掻き捨て」の根性で腹をくくり、いざ神の御許へ…

ム「おねがいします〜〜」
神「おお!!今度はあなたが?」
ム「そうです〜バラ1…(←消え入るような小声で)」
神「オッケー。あなたが右?ペダルは私にまかせて」
ム「…(何もいえないので笑ってごまかす)」

こんな風に書くと、さも英語で会話をしているようだけど、ムルモのセリフは当然、全て日本語(涙)。簡単なことなら相手の言っていることは分かっても、まったく意思の疎通が図れない悲しいムルモだったのです。「しょぼい私のバラ1におつきあいくださりありがとうございます。あきれないで下さい」ホントはこんな感じで断っておきたかったのに…(泣)カツァリスが小声でカウントをし、バラ1冒頭のユニゾンから演奏開始。んぎゃ〜〜〜こんなことはありえん!!手はぜんぜん震えなかったけど心臓はバクバク!!アルペジアーレではカツァリスがタイミングを合わせるためだろう。何か言っていたのだが、緊張のあまり理解不能。カツァリスの音に合わせて適当に弾いておく。主題に入りますます緊張。カツァリスは全然本気で弾いてないけど、必死で弾いてる私よりやっぱり香りが出ちゃってるし。視界の隅にピアノの周りに集まるたくさんの人の気配を感じて、それもまた緊張。みなさんはカツァリスが演奏しているところを見ているんだろうけど、それが尚更へたれムルモはお邪魔虫のようでいたたまれない。「やばい。すごい緊張する〜」うれしさで顔は意味不明に笑顔なのに、弾きながらぶつぶつ独り言をつぶやく怪しい女ムルモ。バラ1の冒頭は右手と左手がかなり近くなる部分が何度もあり、自分の両手じゃないと感覚が違い、手の避け具合もまた難しい。そういうところで遠慮するあまり音が鳴らずミス多発。自分の未熟さを思い知る。ああどうせ下手さ、下手くさっ!!演奏のことはもうここらで割愛させて下さい(涙)。


かきちゃんとカツァリス

ムルモとカツァリス
ところでムルモとの連弾中、カツァリスはムルモにさりげなくエロいことをしていた。U―YANさんとの事前打ち合わせで

「カツァリスは女好きですから女性が頼めば大丈夫ですよ」
「そうですか〜?じゃあ私、超ミニで行ってがんばります!!」

手の写真を撮らせてもらえるか…確かそんな話をしている時に半ば冗談で言っていた話だったけど、本当に無理やりなミニをはいて行ったムルモはロングブーツを履いてはいるものの、椅子に座ると太ももが半分丸出し状態。するとカツァリス、連弾途中に突然「いけない指だ!!彼女の足に触ろうとするだなんて!!」 と言い自分の右手を叩く仕草をして見せた。ピアノの周りにいる人はすぐに理解。笑いが起きる。U―YANさんは「禁断のタッチ未遂事件」などと言っていたけれど、未遂どころかカツァリスは確信犯!!ムルモの足をすーっと撫で、撫でた後で「いけない指だ!」と言ったのであ〜る。そしてカツァリスはその後もムルモが必死で弾いている耳元に「ユーアーベ〜リ〜ビューティホ〜」とか「リラ〜ックス、リラ〜ックス」「ラブ」などと小声で囁くこと数回。パーティーの始まりに挨拶していた声とは明らかに違う甘ったるい囁き声は、さすがおフランス人!!自分だけのために発せられた神の声を聞き、わたくしムルモはホント昇天寸前でございましたのでした。そんなこんなで何を弾いているんだか分からない怪しいバラ1を、結局4ページ分連弾してもらい、至福の時は終了。「メルシー、ありがとう」とお礼を言うと カツァリスはハグして両方のほっぺにちゅ〜をしてくれた。おお神よ!!!わたくしは一生あなたについて参ります!!それにしても何と素晴らしい経験をしたことか。わたくしピアノをやっていて本当によかた〜!!生きててよかった!!お母さ〜ん、ムルモを生んでくれてありがとーーーー!!!!ホントこんな感じです。夢見心地という言葉は、あのような時をさして使うのでしょうね。感動、感激。この先1月くらいなら不幸でもいいと思いました。


バラ1の楽譜とDVDのサイン

カツァリスのゴッドハンド
楽しい時間がすぎるのは早い。カツァリスが各席を廻ってサインや写真に応じ始めると、パーティの終わりも間近に。ムルモは今後、コーダの練習を乗り切るためにサインしてもらうつもりで持って行った(思わぬところで役に立ったが)バラ1の楽譜に「Love ○○○ 20×04」とサインをもらい、王子と同様、首を撫でられ写真撮影。王子では「Friendly」だったメッセージが今回は「Love」に昇格。やた〜!!(笑)その後、メンバー全員で写真を撮ってもらったドサクサに紛れて「ハンド!!ハンド!!」と手の写真もせがむ。本当はピアノに手を置いての撮影がしたかったけど、時間も迫っていたため手近なテーブルに手を置いてもらいパチリ♪よっしゃ〜!!カツァリスの手、ゲットだぜっ!!帰り間際、連弾をしなかったまりりんは短い時間ながらカツァリスにピアノの前でレッスンを受け、今練習しているシューベルトの即興曲のアドバイスをもらう。「ショパンを弾く」ならぬ、リアル「シューベルトを弾く」だ。まりりんは目の色がおかしかった(笑)。カツァリスはそれを最後に退席。タクシーに乗るところまで見送り「ばいば〜い!!」と手を振ると「ありがとう〜」と手を振りながら歌うように言ってタクシーに乗り込んだ。タクシーの中からも振り向いて手を振ってくれたカツァリス…神だというのにええ人や(涙)。アデュ〜カツァリス!!次回の来日、心よりお待ち申し上げております。宴が終わった帰り道、夢から覚めたメンバーはそれぞれ(自慢)メールを送るのに忙しく、しばし無言状態(笑)。そして別れ際、絶対に次回来日までVIVAを頑張って行こうと固い握手を交わし、決意を新たにしたのでした。


神カツァリスとメンバー



まりりんは見た!  2004.10.20 Wed.


演奏日当日、台風の影響で天気が最悪にひどかった。地下鉄降りると雨ザーザーで靴はびちょびちょ。。。涙開場まで時間があるのでムルモサン、かきのたね君と近くのお店で時間をつぶしお しゃべり。そして時間が近くなりホールへ。まず、DVD、CDを買い、演奏が始まるのを待つ。今回はカーネギーホールのライブDVDとカツァリスのレーベル「Piano21」のCDを中心にお買い上げ。

会場の照明が消え、カツァリス登場。思わず「あ!!!!」と言ってしまった。だってカツァリスがその場に同じ空気の中にいるんですもん。わぁ〜〜〜!!本物??本物だ〜〜!!!登場してすぐ椅子に座り早速演奏。うん。このシンプルな神の登場かっこいい! 生で聴くカツァリスの演奏。DVDしか拝めなかった人の手が、演奏が実際にこの目でこの耳で味わえるなんて信じられない!!! 最初は蝶々。あー。予習しといてよかった〜〜。弾きながら観客を見るカツァリス。もっとこっち向いてぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!爪がカチカチなるなる!!蝶々が舞う舞う♪あ〜〜〜もう!!私の視力がもう少し良ければいいのに〜〜〜!!はっきり手が見たい!!顔が見たい!!どうやったらあんなに美しい音がだせるの??華やかで甘いシューマン、カツァリスの手によってより鮮明に開花された!!

『子供の情景』は聞き比べのためCDをあんなに聴いて、シューマンはカツァリスと思ってたが、生で弾く姿を見て、聴いて『子供の情景』=カツァリス以外はありえないと確信。『真面目すぎるくらいに』は、一度鍵盤に手を置き弾きかけたが手を引っ込めまた手を置き、今度は弾き始める。ズッキュ〜〜〜〜〜ン!!かぁっっっいいぃぃ!!!ひぃぃ…。クラクラ〜〜〜。。。予言の鳥では楽譜を使いながらの演奏。メガネかけるカツァリス、うん!貫禄でてて良い!!知的だぁ〜〜。前半のシューマンはとにかくとにかくうっと〜りでした。

休憩を挟んで次はショパン。ワルツ3番を弾きだす。………思ったより早いで出しで弾き始める。なんだかNHK【ショパンを弾く】の時と違う。はっは〜〜ん、これはもしや演奏会バージョン??さらりと弾いていた。ノクターン1番。この静かでうっとりな夜想曲は本当にロマンな夜をイメージさせてくれる。カツァリスがピアノを愛撫してるかのようで、それに応えてピアノが気持ちよく喘ぐといった感じ。。。エロイ…。ノクターン14番。初めて聴いたけど美しくてきれいな曲だ。生だから尚更ひしひしと伝わってくる。家にアシュケナージの『ノクターン全集』があるけど、いかにアシュケナージを聴いてないか…。そしてエチュード。最初のエチュードは作品12−9.思ったより軽く弾いてる??のかなぁ。作品25−4も壮大だが、こちらもこれといって特徴的ではなかった気がする。でも大洋は違った!!!すごく印象が強かった。中盤では重々しく弾いてるところは特に強烈だった。深く深く奥深く鍵盤を叩いてるカツァリスはまぶしかった〜〜〜。大洋を弾き終わったあとの拍手はすごかった。手を上げて拍手する人もいた。最後は一番楽しみにしてた『トッカータとフーガ』。これは言葉には表現できないすごさがあった。日本語はなんとちっぽけなんでしょう。言葉が見つからない。指裁きは超人並みで目が釘付け。早送りのような手の動き。才人だ!!神だ!!!!君臨だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!カツァリスの「どうだ!!」と言わんばかりの見事な演奏は私の胸にドッ カ〜〜〜〜ンと入り込んだ。今まで「○○を聴いて涙を流した」という人の事を信じてなかった。大げさなことを。といつも思ってた。でも…えぇ、私がバカでした。私、涙がポロポロポロポロ止まりませんでしたもん。無意識に身体が前に行ってカツァリスに夢中でした。こんな興奮と感動は生まれて初めてだと思う。 心底カツァリスの音楽が好きで良かった。この感性があって良かったと、カツァリスを心から好きになった自分にも感動。会場の観衆も身を乗り出してたり、さっきまで寝てた人が目をバチバチさせながら口を開けてみてたりして、会場全部がカツァリスの虜だった。演奏が終わると「ブラボー」と叫ぶ人もいた。拍手喝さいの海だった。私も立ち上がって拍手したくなった。

アンコールもたくさん弾いてくれた。最初は『セレナーデ』次に『パンとバター』。『パンとバター』は可愛かった。可愛 い曲を弾くカツァリスもキュートだった。人差し指でポロンポロン♪あ〜〜〜!胸がキュン♪『おもちゃの行進曲』も可愛かっ た。音が踊ってる感じだった。アンコール出てきたカツァリスは挨拶の途中で「アディオス〜」と言ったりして私の胸をわしづかみにした。はあとはあと〜 生カツァリス、生演奏、生で聴く声部の弾きわけ、圧倒的な音楽。生きてて良かった。うるうる(感涙)

パーテーでのカツァリスの挨拶は長かった。でも内容がとても濃いもので退屈ではなく、勉強になることばかりだった。社会情勢と音楽などの話は聞いてて楽しかった。そして食事タイム。まぁ〜〜〜〜!!なんてフォークの似合うこと!食事をするカツァリスは演奏の時とは違うチャーミングな顔だった。かっき〜やムルモサンとの連弾も楽しそうに弾いたり、copinさんとの連弾では息がぴったり!!最後サインをもらう時、4枚もサインをしてくれた。一緒に写真もとってくれた。ニコニコしながら「ラブ〜」といってくれたので私も「じゅぅぅってぃ〜〜〜〜む」と何度も力を込めて、熱い告白した。すると「次に来る時までにフランス語を覚えて、一緒にお話ししましょう。」と言ってくれた。まじですか!!!!!うっひゃ〜〜〜〜〜〜〜!!うほほ〜〜〜い!!おお神よ!!なんと言うことを!!こんな素晴らしいことがあっていいのだろうか。この言葉を聞いて私は追っかけになることを決意した。

それから私は通訳さんに頼んで「シューベルトを習ってます。練習する時のコツを教えてください」と手帳に英語を書いてもらった。時間がなさそうで1度はこれを見せることを諦めた私だったが、でもどうしても今の気持ちを伝えたくて、一緒に書いてもらってあったメッセージを見せることに。

「I am very proud glad that I am the deep admirer of you!」
(私はあなたの大ファンであることを誇りに思います)

するとカツァリスは「Thank you!!!!」と嬉しそうに言ってくれ、私の手をひっぱってピアノへ連れてってくれた。そしてシューベルト、即興曲のレッスンを(1小節ですが)丁寧に長く教えてくださった!!!ひょ〜〜〜☆@えkjldkjgかjせrIHET…(故障中)私とカツァリスの手が同じ鍵盤の上に!!リアル「シューベルトを弾く」だ〜〜〜!!敬愛するピアニストから直接レッスンだなんて。うぅぅぅ・・・感無量です。その時に写真を撮って下さった方も本当に優しく、もう何も言葉にならない。カツァリスのレッスン〜わたくしは今後「2004年カツァリスに師事」と申し上げてもよいのでしょうか。。。えへへ

最後に「バイバイ」とカツァリスはキュートな笑顔で帰っていく。この日の出来事は私にとって今までの生きてきた中での一番の宝となった。U―YANさん始めcopinさん、レッスンを受けるきっかけになった英文を教えてくれた通訳さん、時間がないのに気をもみながらもレッスンの時間を待って下さった関係者の方々…この機会を与えて下さった全ての方々に、本当に心から感謝の気持ちで一杯です。カツァリス最高!!




かきのたねのぱーてー見聞録  2004.10.20 Wed.


リサイタルの興奮も冷めやらぬうち、刻一刻とパーティの時間が迫ってくる。うーやんさん達はリサイタルのアンコールが終わる前にはすでに会場となるホテルに赴き、準備をしてくれていた。 雨が激しく降る中、期待に胸を躍らせながらホテルに到着。とりあえずトイレに行き、一杯飲んで一服しているとムルモさん、うーやんさんが俺にピアノを弾けと促した。そこで緊張しながらもカツァリス自作の「吟遊詩人と姫君」なんぞを弾いてみる。しか〜〜〜〜〜〜し!!俺がピアノを弾きだしたとたん、わざわざ会場の人がやって来て、BGMの音を小さくする。気を利かせたつもりだろうが、余計なことしやがって!!(怒)これではミスも目立って恥ずかしいではないか!!始めは「お!演奏するんだ〜」といった様子でくつろぎながら聞いていた皆様も、緊張のあまりミスタッチが大量に生み出されるとともに気はそれぞれの雑談の方へ…だがお構いなしにペトラルカのソネットなどもとりあえず弾いておいた。

さてカツァリスがいよいよ到着という段になり、うーやんさんとの約束どおりカツァリスを迎えるための「英雄ポロネーズ」をドキドキしながら弾き始める。あまりにも鍵盤が硬いヤマハのピアノを恨んだ。おかげで俺はつい鍵盤にばかり目が行ってしまい、せっかくのカツァリス登場シーンを見ることが出来なかったんだよ!!(怒)そんなわけで気がつけばカツァリスがすぐそこに立っていたという超べっくらなことになり、ボー然としてしまったではないか!!だってだよ?ふと顔を上げたら我が神カツァリスがすぐそこで俺のピアノに向かって、ななななんと「ブラボー!」と言いながら手を叩いていたんだよ?ぬぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!!!カツァリスに「ブラボー」なんて言われてしまった〜!!…ぱたり(昇天)。いや〜もう最高です!!最高すぎて天井に頭がぶつかるくらい最高でした!!!

カツァリスの挨拶が始まるとムルモさんは必死の形相でメモ、かきのたねも必死に聞きとっていたというのに、まりもだけはだるそ〜にしてました。まりも「英語なんてわから〜ん」…おいおい通訳さんいただろう(笑)。その後、食事タイム。カツァリスは食事の時もすぐそこに!!ああ、鼻血が出て来ます。カツァリスをチラ見しつつ、みんなと話をしながら食事をしているとうーやんさんがやって来て「連弾しますか?」

キターーーーーーーーーーーーーー!!もちろんですとも。もちろんやらせて頂きますとも!!

俺が連弾してもらったのはショパンの「バラード2番」。弾き始める前、カツァリスがカウントした「ワン、ツッ、スリー、ワンツッ、スリー」という言葉が今でも耳に残っている。右と左で分けて弾くのは大変でしたが、もう感動のあまり涙が出そうでした!! 一生の宝物です!!連弾の機会を与えてくれたうーやんさんも神のようだ!!時間の都合で途中までの連弾になったが、大満足。握手をしてもらって夢心地だった。その後、ムルモさんがバラード1番の連弾。ぎこちないけど本当に楽しそうです!! 途中、カツァリスはムルモさんの脚を見て「触るな!触るな!」と自分の手を注意していました。さすがエンターテイナーですね!!まりもにも「何か弾きなよ〜」と薦めたのですが、まりもは遠慮していました。そして最後はcopinさんが連弾。今度は正真正銘の4手です。なんというバッチシのタイミング!何度も連弾しているという2人の相性は抜群です。カツァリスも「これもやろう、次もやろう」と本当に楽しそうでした。

時間が押している中でカツァリスも色んな人たちを回ります。沖縄からいらしたようこさん始め、ふゆかさんやかつおくんなど、うーやんさんのサイトで知り合った人たち、今回はあまり話せませんでしたが次回に期待。そしていよいよ俺達の番になり、カツァリスとの写真撮影、サイン…ああ、もう〜たまらんです。俺はカツァリスにあるメッセージを送りました。内容はヒミツなんですが、彼も嬉しそうにしてくれて、とてもありがたかったです!!ところでそんなカツァリスのサイン、前回(王子)はただ書いてもらっただけなのに、今回はちゃんと名前を聞いて書いてくれたました。さらに字は(汚くて)解読できなかったのですが、ベストなんとかというメッセージも添えられていて大感激!!そしてビバの記念の撮影、まりもとムルモとかきのたねと神カツァリスで写真を撮る日が来るだなんて!!もう!もう!もう〜〜!!こんなに素晴らしいことがあってよいのかっ!!余韻にひたりまくりです。最後にまりもが神にピアノの練習について質問するとカツァリスはピアノのところまでまりもを誘ってい即興の「シューベルトを弾く」レッスンを開始!!いや〜これはすばらしか〜!!まりもも照れくさそうにしながら夢中で指示に従っていた。

会場から出る時にエレベーターである男の子が「また集まりた いですね!」と話かけてきましたが、人見知りする自分は「ああ 、そうですね〜」としか言えませんでした(泣)。ひょっとするとあれがかつお君だったのでしょうか…でもとりあえ〜ず!!人生最高の夜をくれたカツァリス、もっとも尊敬する人カツァリス、現人神であるカツァリス。どうもありがと〜!!!!!!カツァリスは見送る俺達に、タクシーの中から後ろを振り返ってまでずっと手を振ってくれていた。カツァリス…なんかカワイかったな〜。

パーテーの総指揮をしてくださったウーヤンさん、打ち合わせやおっかけで頑張っていたcopinさん、受付をやって下さったうーやんさんのフィアンセさん、本当にお疲れ様でした!!皆様のおかげです。次回は自分も何かお手伝いしたいと思います。終電がなくなってましたが、泊めてもらう友達の家に向かいながらも何度となくサインをとりだしてはニヤリ、とりだしたはニヤリ…本当に空前絶後の貴重な体験でした。次の日起きてみると、もう昨日のことは夢のようで、それが少し悲しかったのですが、出来てきた写真を見て、やはり現実だったんだな〜と改めて思いをかみ締めました。



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