オーケストラを知る!

オーケストラには国営、州立または市が運営しているものの他、私設、民間、または企業が母体になっているものなど、実にたくさんの団体が存在します。日本の有名プロオーケストラをざっと並べてみただけでも、NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団 、東京交響楽団 、東京都交響楽団 、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 、東京ニューシティ管弦楽団 、東京フィルハーモニー交響楽団 、名古屋フィルハーモニー交響楽団 、日本フィルハーモニー交響楽団 、読売日本交響楽団 、オーケストラ・アンサンブル金沢 、大阪シンフォニカー交響楽団 、大阪センチュリー交響楽団 、大阪フィルハーモニー交響楽団 、関西フィルハーモニー管弦楽団 、九州交響楽団 、京都市交響楽団 、セントラル愛知交響楽団 …頭が痛くなってくるのでこの辺でやめておきます。とにかく世界中にはたくさんのオーケストラがあるということで、ここでは来日公演なども多く、日本でも割と耳にする機会の多い楽団を中心にご紹介していきたいと思います。まずはあまりにも有名なこの2組の名門オーケストラから。
ウィーン・フィルってどんなオケ?
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1842年創立。以下VPOと省略)は超タカビ〜なオーケストラ。お上品でおハイソに、ちょっと近寄りがたい雰囲気をプンプンさせながら我が道を行く楽団だ。

■チケットの値段がバカ高い!!
■今時、男尊女卑だ!!
■現代音楽は音楽とは認めない!!
■外国人の採用も消極的!!
■若い客よりジジババ優先。新規客を狙ったレパートリー開拓はしない!!
■決まった音楽監督なんかいらない!!
■大事な仕事はきちんとやるが、場合によっては手抜きもする!!

…とVPOとはこんなオーケストラです(涼しい顔で)。分かりにくいかもしれませんが、ようするにVPOという楽団は超〜保守的にわが道を突き進む、頑固一徹オーケストラだということです。世界では男女平等や人種差別撤廃が叫ばれて久しいというのに、VPOでは今だに女性団員や外国人の雇用には消極的で、女性団体の猛抗議にもまったく聴く耳を貸さないそう。また決まった指揮者をオケの顔にすえてしまうと顔になってしまうため、入れ替わり立ち替わり違う指揮者を招くというスタイルでの演奏を貫いている。そして長年のお得意さまであるジジババばかりを相手にしているため、レパートリーは固定化。怠けるのも大好きらしい…。

で・も…耽美的で甘いといわれる彼らの音楽は、ビシっとやればその響きはめっぽうキレイ!!ろま〜んもある!!いくら高飛車で鼻が高かろうと、VPOは伝統ある世界最高レベルのオーケストラに間違いないのである。日本ではクラシック音楽の象徴的存在。

ベルリン・フィルはどうなんだ?
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1882年創立。以下BPOと省略)は世界でも指折りの名楽団と言われている。ウィーン・フィルとはチケットの値段を争うライバル同士。ただしこちらは(お金儲けが上手い楽団なので)素人にも分かりやすい大音量、名技、こってりした音色が特徴。

BPOは(お金儲けが上手い楽団なので)名指揮者カラヤンが音楽監督をしていた時代に次々と名手を雇い入れ、楽団の充実を図ることに成功。他の1流オーケストラのコンサートマスターからキラリと光る若手音楽家まで、財力にものを言わせてどしどし追加!!そしてますますお金を…いや、技術を向上させてきたのだ。しかしこうした環境にいると、自分も偉くなったような気がするのが人間の常というもの。BPOの楽団員たちは技術とともに鼻も一緒に高くなってしまい、態度もその演奏の音量同様、むやみやたらにデカくなることとなった。

■指揮者の言うことをまるで聞かない!!
■楽団員それぞれの目立とう精神が強すぎる!!
■オペラの伴奏でも歌が聞こえないほどの大音量で自己主張!!
■とにかく俺様の演奏を聞け!!

てな感じの「天上天下唯我独尊」系オーケストラなのである。ベルリン市の公務員として給料をもらいながら海外公演、音楽祭とアラ稼ぎしまくりの楽団員たち…楽団、そして演奏同様、お金儲けも一丁前なのだ。

しかし迫力ある曲を演奏させれば自慢の大音量が物を言い、向かうところ敵なしと思われる。その上、技巧派が揃っているだけに演奏もめっぽう上手くてレパートリーも幅広い。ただし指揮者が誰でも個性は消せず…それでいて(お金儲けが上手いので)案外サービス精神もあったり。鮮烈なBPOもやっぱり超1流のオーケストラだ。

世界中にオーケストラは数あれど、この2組はあらゆる意味で、もはや別格のオーケストラだと言えるだろう。運営方針に違いはあれど演奏レベル、チケットの値段、楽団員のプライドと、どれを取ってもとにかくお高いことこの上ないのだ。ところでお高いと言えば、プライドの高さはNHK交響楽団(以下N響と省略)だって負けてはいない。

NHK交響楽団ってどうなのよ?
N響とはNHK交響楽団を指す。NHKの抱えるオーケストラで、1926年に新交響楽団として設立された(51年にN響に改称)日本で最も長い歴史を持つ楽団だ。これまでに世界中から一流の指揮者が数多く客演し、初演(日本で初、世界で初)された作品も多い。楽員数、平均給与も国内最高位。練習場にも恵まれていることから、日本のトップオーケストラと言われている。ついでに楽団員のプライドの高さも国内最高峰。とても高飛車な奏者が多いようだ。しかしその実力は国内において技術、音楽表現能力ともに最高水準と言われているものの、海外の有名オーケストラと比較した場合、音色に豊かさがない、パワーが不足しているなど基礎的な力量にはまだまだ改善の余地があると言う。また音色の問題に関しては巨大なNHKホールが原因とする声もあるが、批評家が曰く「せめて後方の席で弓を節約して弾くのはやめろ」「管楽器が数人同時に出るところをきちんと合わせろ」だそうだから、基本的なところでもっと頑張ってもらわないとならないようだ。音の出るタイミングが遅いって言われてるよ…N響さん。日本一くらいで天狗にならず、いっそうの精進を求む!!

ところでオーケストラの名称に使われる「交響楽団」と「管弦楽団」の違いって何だかご存知ですか?なんとなくノリで?雰囲気で決めている?…いえいえ、そうじゃありません。実はこの「交響楽団」と「管弦楽団」という言葉には一応の定義が存在するらしいのです。「交響楽団」はオペラの伴奏やらないオーケストラ、「管弦楽団」はオペラの伴奏をするオーケストラを表しており、オーケストラピット(オーケストラが劇場でオペラの演奏をするために入るスペース)に入るか、入らないか、そこでどちらの名称をつけるか、決まってくるようなのです。ただし例外もあり、日本の「某フィルハーモニー管弦楽団」はオケピに入ったことはないながら(=つまりオペラ伴奏をしたことがないけど)「管弦楽団」を名乗ってしまったりしています。ややこしや〜(汗)。ちなみに「交響楽団」「管弦楽団」と同じく、オケの名称によく使われる「フィル(Phil)」という言葉がありますが、その語源はドイツ語の「〜を愛する」「〜の友である」という時に使われる接頭語から来ています。つまり「ウィーンフィルハーモニー管弦楽団」というのは=「音楽を愛し、オペラ演奏もするウィーンのオーケストラ」と言うこと。ん〜?ってことは「フィル」がつかない「○○○交響楽団」っていう名前って……微妙なところなので、その辺の判断は皆さんにお任せしたいと思います(笑)。

オーケストラ天国、ドイツのオケ事情
■ベルリン・フィル
とにかく上手くて音がバカでかい。チケットもバカ高い。これぞオーケストラ的爽快な演奏。指揮者が誰でも楽団の個性は出まくり。(↑参照)

■バイエルン放送交響楽団
数多いドイツ放送オケの頂点に立ち、底力は世界有数。実力が発揮されればベルリン・フィルをも脅かすほどハイレベルな演奏をするが、それがいつ発揮されるかは不定期。ベルリン・フィルよりサービス意識が低い。指揮者によって化ける可能性を秘めた楽団。

■フランクフルト放送交響楽団、ベルリン交響楽団
実力的には最高峰ではないがインバルとの相性がよいため、彼が同行すればよい演奏も期待できる。

■シュトゥットガルト放送交響楽団、ケルン放送交響楽団
実力はそれなりにあるものの、よい指揮者に恵まれず、つまらない可能性大。

■ドレスデン・シュターツカペレ(国立歌劇場管弦楽団)
ドレスデン州立のオーケストラ。世界最古の歴史を誇る名門中の名門。旧東ドイツ側に属していた当時は東ドイツのトップオーケストラと目されていたが、録音時には普段は在籍していない腕利きの演奏者を国内から総動員していたとも言われている。柔らかで繊細な響きが素晴らしいと評判が高い。指揮者が誰であっても一定のレベル、その溶け合うような合奏と味わい深い独特な響きの魅力が保たれる。しかし最近のレベルは並みのようだ。

■ミュンヘン・フィルハーモニー
南ドイツを代表するオーケストラ。上手くて音もきれいなオーケストラ。近年は来日していないのが難。チェリビダッケ時代の壮大かつ精緻な名演が大きな話題を呼んだ。

■ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
なんと、かのメンデルスゾーンが育成したというドイツでも最古に属するオーケストラ。2世紀半以上の伝統を誇り、今世紀に入ってからも一流オーケストラと目されてきた。しかし大戦直後のコンビティニーが指揮していた頃にピークを迎えるも、その後どんどん技術が低下し、クルト・マズアの頃になると一流とは云えなくなった。レベル低下の原因はいろいろあるのだろうが、統一前の東ドイツは予算や楽器を確保するだけでも大変だったというから、気の毒なことではある。


派手好み、アメリカのオーケストラ事情

■フィラデルフィア管弦楽団
艶やかな弦楽部と華麗な金管セクションによるゴージャスサウンドが売りだが、指揮者の人選は意外と権威主義的。イタリアオペラ界の雄ムーティ、ドイツオペラの権化サヴァリッシュ、あるいはテンシュテットなど、なかなか手堅い。アメリカの名門。

■ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
マーラー、トスカニーニ、ワルター、バーンスタインなどそうそうたる巨匠の薫陶を受けてきたアメリカの名門。全米の楽団中、最も輝かしい伝統を持つが、いまや誇れるのはそれだけになってしまった悲惨なオーケストラ。本拠地のホールの音響が最悪なことに加え、メータ、マズアといった見かけ倒しの指揮者ばかりを監督にすえてしまったこともまずかった。マゼールに期待?

■シカゴ交響楽団
1891年、指揮者セオドア・トーマスにより創設。「私に常設のオーケストラを与えてくれるなら地獄に落ちてもかまわない」と頼み込み、地元の有力者に出資させた。個々の演奏家のレヴェルの高さと表現の枠の大きさで全米随一の評価を誇り、R.シュトラウスも客演しているほど。現代性という観点においては、ベルリン、ウィーン・フィルを始めとするヨーロッパのオーケストラにも勝ると言われている。レパートリーはオーソドックスなものから現代ものまで幅広く、金管を中心とするパワーが驚異的な最強集団。歴代主席指揮者にはラファエル・クーベリック、フリッツ・ライナー、ゲオルグ・ショルティ、ダニエル・バレンボイムなどが名を連ねる。このオケの恩人はフリッツ・ライナー。現在でも客演にはジェームズ・レヴァイン、レナード・スラトキン、チョン・ミョンフンなどの著名指揮者が多い。

■クリーヴランド管弦楽団
巨匠ジョージ・セルという指揮者によって1960年代に黄金期を迎え、以後は名声を食いつぶすばかりのオーケストラ。CD時代になってからドホナーニとともに聴くほどの価値がないCDを大量生産することに成功。指揮者選択の目がなさ過ぎる点ではニューヨーク・フィルといい勝負と言われている。次の指揮者ウェルザー・メストに期待するも、合奏が荒れる心配もまたあり…だとか。技巧集団といわれた当時を懐かしむ声、多数。近年はブーレーズなどと共演している。

■メトロポリタン歌劇場管弦楽団
本来、オペラハウスのオーケストラだが、レヴァインという指揮者のおかげで名前が売れてきた。長いオペラをいつもテンポの遅いレヴァインと演奏しているのでスタミナがあり、技量もなかなか。しかし何かが足りないオーケストラだとの声もあり。

■ピッツバーグ交響楽団
歴代指揮者にクレンペラー、ライナー、マゼールなど巨匠クラスが並ぶアメリカの実力派。世界でも有数のハイレベルな交響楽団。来日すればチケットにはいい値段がつくのでは?現在の主席指揮者はヤンソンス。

■ボストン交響楽団
1881年、銀行家ヘンリー・ヒギンソンにより創設。彼が大のドイツ至上主義者であったこともあり、1918年まで常任指揮者は全てドイツ人。ヘンシェル、ニキシュ、フィードラーといった名指揮者ばかりが名を連ね、彼らに訓練された同楽団はたちまち一流となった。派手好みのアメリカにしては珍しくシック路線。アメリカで最もマイルドサウンドを持つと言われる名門オーケストラ。小沢征爾との10年にも及ぶ共同作業でも有名。

■サンフランシスコ交響楽団
1909年のミュージカル「アソシエイション・オブ・サンフランシスコ」が発足のきっかけ。かってフランス人指揮者のピエール・モントゥーのもとで黄金時代を築いた。その後、指揮者となったエンリケ・ホルダの時代は低迷していたが、ヨーゼフ・クリップ、小沢征爾、エド・デ・ワールトなどの活躍により演奏水準が向上し、ツアーやレコーディングも増えた。ブロムシュテットが音楽監督になった80年代から、再びトップオーケストラと評価されるようになった。レパートリーは古典からロマン派、近現代作品や北欧の音楽と幅広い。

■ロサンゼルス・フィルハーモニー
ズービン・メータ時代に日の出の勢いで台頭した、アメリカ西海岸を代表するオーケストラ。雄渾でふくよかな演奏が魅力的。最近では、楽団が所有する4億円のストラディヴァリのチェロ「ゼネラル・キッド」が盗難にあったことでも有名(無事、LAの街角にあるゴミ箱から発見された)。またこの楽団は2004年11月に演奏会で「スクエア・フェニックス」のゲーム、ファイナルファンタジーの音楽を演奏した。

名前は聞いたことありそげな、世界のオーケストラ事情
■トーンハレ管弦楽団
スイス、チューリッヒのオーケストラ。設立のきっかけはワーグナーがドレスデン革命に参加し、計画失敗後、スイスへ亡命したことによる。チューリッヒに滞在していたワーグナーは「トリスタンとイゾルデ」の作曲に取り組む一方で、チューリッヒや近在の楽員を集めてしばしばコンサートを開いた。このことからチューリッヒ市民にオーケストラ設立の要望が高まり、それに応える形で1862年、常設のオーケストラが産声を上げた。設立当初は33名からのスタートであったが、当時、同じくスイスに滞在していたブラームスがしばしば客演していたことから、そのレベルは一定の水準であったのではないかと言われている。現在ではシャルル・デュトワ(頻繁な客演)、ゲルト・アルブレヒト、クリストフ・エッシェンバッハ、そして若杉弘、クラウス・ペーター・フロールなどが主席指揮者を歴任しており、現在は1995年に就任したアメリカ人指揮者、ディヴィッド・ジンマンが主席指揮者を勤める。ドイツ語地域の中心を占めるオーケストラ。

■ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1888年に創立されたオランダ、アムステルダムの名門オーケストラ。伝統と近代化をバランス良く保ち、国際化していくライバル団体を尻目に「西ヨーロッパ最高の正統派」と評されている。創立100周年を期にベアトリクス女王より「ロイヤル」の称号を下賜され、現在の名称「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」に改称された。 2004年9月からはマリス・ヤンソンスが常任指揮者となっている。

■ベルギー国立管弦楽団
1832年、ベルギー王立音楽院管弦楽団として発足。1936年にベルギー芸術院の管轄となって現在の呼び名に改称された。歴代指揮者にはベーム、クライバー、マゼールなど大物が名を連ねている。現在の主席指揮者は25歳のミッコ・フランク。それ以前はユーリ・シモノフが音楽監督を務めていた歴史ある名門オーケストラである。この楽団の特徴は伝統と正当性を持ちながらも、柔軟で自由な感性に富んでいること。名門でありながら歳若き指揮者であるミッコを抵抗なく受け入れたベルギー管は、古典から現代作曲家の作品まで幅広い楽曲をこなすベルギーを代表するオーケストラだ。本拠地はブリュッセル。

■パリ管弦楽団
パリ音楽院管弦楽団を改組して1967年に発足。フランスのトップオーケストラ。明るく輝かしいサウンドが魅力。N響と同様にソリストとしても活躍する、その国の第一人者が集っている楽団だが、世界におけるその実力はいまひとつのよう。ミュンシュ、カラヤンが音楽監督を務めていた頃が全盛期。その後バレンボイム、ビシュコフが就任するも、演奏の評価は悪かった。現在は練習のきついことで有名なドホナーニとブリュッヘンが監督を務めている。びしびし鍛え直されるパリ管やいかに?

■フランス国立管弦楽団
1934年にフランス国営放送の専属オーケストラ、フランス国立放送管弦楽団として誕生。初代首席指揮者はデジレ=エミル・アンゲルブレシュト。創立以来、数多くの演奏会や放送への出演を通じてフランス国内での名声を高めたが、第2次大戦に入ると楽団員はパリを離れルネやマルセイユへ疎開、オーケストラの活動は中断される。戦後、フランス国立放送管弦楽団はマニュエル・ロザンタールとともに活動を再開。ロザンタールはストラヴィンスキーやバルトーク、オネゲル、ミヨーなどの同時代やフランスの作品を積極的に取り上げた。フランス国立放送管弦楽団は作曲家や現代音楽を得意とする指揮者達(ハンス・ロスバウト、ヘルマン・シェルヘン等)をしばしば指揮台に招いた。ロザンタールの後はロジェ・デゾルミエール、再びアンゲルブレシュト、そしてモーリス・ル・ルー、ジャン・マルティノン、セルジュ・チェビリダッケ首席指揮者に就いた。1976年にはフランス国営放送のもう1つのオーケストラがフランス国立放送フィルとして活動を開始。チェルビダッケがトラブルで1シーズンで退き、マルティノンが1976年に死去してからは常任的な指揮者を置かず、レナード・バーンスタインやロリン・マゼールが度々客演した。1976年にマゼールが首席指揮者に就き、1988年からは音楽監督も兼任することになったが、マゼールは2シーズンでそのポストを離れ、1991年にシャルル・デュトワが音楽監督を継いだ。フランス初の常設オーケストラ。金管楽器に定評があり、華やかできびきびとした演奏が特徴。

■チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
前身は国民劇場のオーケストラ。チェコ・フィルとしての活動は1896年1月4日、ドヴォルザークを指揮者に迎えての第1回演奏会に始まる。このコンサートではドヴォルザーク自作の「新世界交響曲」や「序曲・オセロ」が演奏された。1908年にはマーラー自作の「交響曲第7番」が彼の指揮により初演された。1919年に音楽監督に就任したヴァーツラフ・ターリッヒがチェコ・フィルを国際水準にまで押し上げたと言われている。その後ラファエル・クーベリック、カレル・アンチェルが音楽監督を務めるが、第2次大戦、チェコ動乱などを受けて亡命。継いで主席指揮者となったヴァーツラフ・ノイマンがレコーディングやツアーを通して国際的な名声を博するようになった。1989年には無欠民主化革命の成功によりクーベリックも復帰し、現在ではチェコスロバキアのトップオーケストラとなった。長年、音楽監督を務め、95年に亡くなったノイマンを通じて日本でもおなじみのオーケストラで十八番はモルダウの「我が祖国」。「新世界」とともに来日の際には決まって演奏されている。

■モントリオール交響楽団
カナダのオーケストラ。かつては地方のオーケストラに過ぎなかったが、シャルル・デュトワが音楽監督になった途端にレコーディング、演奏会で評判になり一躍、一流オーケストラといわれるようになった。しかしこの好評判の影には、楽団員の70%が入れ替わるという粛清の嵐が吹き荒れていたことを忘れてはならない。フランス、ロシア音楽で実力を発揮する。

■スイス・ロマンド管弦楽団
1918年、エルネスト・アンセルメによって次の目的のため設立された。1、ジュネーヴとローザンヌの二大都市、及び周辺都市に交響楽を提供すること。2、ラジオやテレビの放送を通じてクラシック音楽の普及に努めること。3、ジュネーヴ大劇場でのオペラやバレエの公演のオーケストラを務めること。アンセルメは50年間にも渡って同楽団の指揮者を務め、同時代の作品…特にドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、バルトーク、プロコフィエフ、ファリャ、等の作品を紹介することに心血を注いだ。中でもドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーの演奏は、録音を通して世界中で高く評価されている。その後はパウル・クレツキ、ヴォルグガング・サヴァリッシュ、ホルスト・シュタイン、アルミン・ジョルダンが音楽監督に就任。ジョルダンは1957年以来、コンサートホール及びオペラハウスでスイスロマンド管弦楽団の指揮している。

■ロシア国立交響楽団
1936年に創設されたロシア第1のオーケストラ。正式名称を「ロシア連邦国立アカデミー交響楽団」という。ソビエト崩壊前から「ソビエト国立交響楽団」として世界的に有名。大戦初期は愛国主義的な演奏活動を行っていたものの、戦火が激しくなると中央アジアに疎開。しかし疎開先で行われた音楽祭などに積極的に参加したことで、中央アジア諸国の音楽文化に大きな影響を与えた。その後、1958年に行われたベルギーでの演奏会を皮切りに、60年にはアメリカ、64年には日本と西側への進出を図る。歴代主席指揮者にはアレクサンドル・ガクウ、ナターン・ラフリン、コンスタンチン・イワーノフ、エフゲニー・スヴェトラーノフが就任しており、厳しいトレーニングで有名なガクウの時代に鍛えられた。現在はスヴェトラーノフとの猛爆演奏の数々で有名。ロシアのほとんどの作曲家の管弦楽作品を録音し、あまり知られていなかった優れた作品を世界に紹介したスヴェトラーノフの功績は大きい。

■サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
1882年に設立されたロシアのオーケストラ。 設立当初は宮廷管弦楽団だったが、次第に一般対象のコンサートも増え、バラキレフやグラズノフなどが指揮台に立った他、ニキシュやリヒャルト・シュトラウスも客演した。1917年のロシア革命により、宮廷管弦楽団が改組され、初代常任指揮者にセルゲイ・クーセヴィツキーを迎えて再スタートを切る。1920年にペトログラード・国立フィルハーモニー交響楽団、1924年にペトログラードがレニングラードと改称されると国立フィルハーモニー協会傘下のレニングラード・フィルハーモニー交響楽団といった具合にめまぐるしく改称が続いた。1938年、35歳の若きマエストロ、エフゲニー・ムラヴィンスキーが常任指揮者・音楽監督のポストにつくと、レニングラード・フィルは名実共にソ連のトップオーケストラへの躍進を遂げる。 その後ドイツ人のクルト・ザンデルリング、アルヴィド・ヤンソンスが指揮者陣に加わる。現在の指揮者はユーリ・テミルカーノフ。この楽団はショスタコーヴィッチと密接な関係にあり、彼の没後にはレニングラード・国立フィルハーモニー交響楽団という長ったらしい楽団名にさらに「ドミトリ・ショスタコーヴィッチ記念」という冠称がつけられた。しかし1991年のソ連崩壊に伴いレニングラードの街がサンクトペテルブルクに復されると、楽団名も現在のものに改称された。

■ロンドン交響楽団
1904年創立。この楽団は自分たちでオケを運営し、指揮者を選ぶという特色を持ち、初代主席指揮者にハンス・リヒターを迎え一躍、国際的な注目を集める楽団となる。その後エドワード・エルガーやアルトゥール・ニキシュ、ヨーゼフ・クリッブス、ピエール・モントゥーが主席指揮者となる。68年には指揮者にアンドレ・プレヴィンを起用し「スターウォーズ」のサウンドトラックでグラミー賞を受賞。親しみやすさでも人気を呼ぶ。ロンドン響の実力は高く、どんな個性派指揮者にも完璧に応えるプロ中のプロ。また病院のための企画や子供のための企画も多く行っており、ロンドン市民に欠かせない存在ともなっている。世界のオーケストラの理想像と言われている。X−JAPANのYOSHIKIのオケバージョン、映画「ロード・オブ・ザ・リング」第1部の演奏などもこの楽団が務めた。

■ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
富豪指揮者ビーチャムによって創設されたイギリスの名人集団。第二次大戦による経済的苦境でビーチャムが去ってからは自主運営のオーケストラとして、レコーディングも盛んに行なわれるようになり、またプリッチャードが首席に就任してからは、グラインドボーン音楽祭のオーケストラ・ピットに毎年入ることにもなった。その後ハイティンク、ショルティ、テンシュテット、ウエルザー=メストと著名指揮者が次々と首席を務めた。現在、首席に迎えられているのはマズア。テンシュテット時代にピークを迎え、来日公演も絶賛された。その歴史にやや浮き沈みがあるものの実力は健在。

■BBC交響楽団
夏のロンドン・プロムスでも知られるこのオーケストラは、イギリス放送協会の専属オーケストラとして1930年に創設。初代首席指揮者にはエードリアン・ボールトが就任。高い水準のアンサンブルが創られ、以来アルトゥーロ・トスカニーニ、ブルーノ・ワルター、フェリックス・ワインガルトナーなどの著名指揮者が次々と客演した。創設当初から現代音楽の紹介に務めていたが、ピエール・ブーレーズが首席を務めた70年代前半にはその特色をさらに強め、ブーレーズ、ルトスワフスキ、ペンデレツキなどが自作をこのオケで指揮している。エルガー、ブリテンなどイギリス音楽の録音にも定評がある。

結構がんばってる、日本のオーケストラ事情
■新日本フィルハーモニー交響楽団
1972年、「日本フィルハーモニー交響楽団」の財団解散に伴い、当時の首席指揮者だった小澤征爾を中心に結成。指揮者団として斉藤秀雄、小澤征爾(首席指揮者)、山本直純、秋山和慶、手塚幸紀の5人が名を連ねていた。現在は小澤征爾が名誉芸術監督を務めている。新日本フィルは定期演奏会の選曲に意欲的な楽団で、初演作品、邦人作品等の演奏も多く、またコンサート形式でオペラ作品「コシ・ファン・トゥッテ」、「ヴォツェック」、「エレクトラ」、「カルミナ・ブラーナ」、「スペインの時」を演奏し、コンサートオーケストラの新しい活動方向を示した。小沢征爾による「サロメ」「トスカ」などが有名。ショスタコービッチ、ボッセ、シルヴァースタイン、メニューイン、など外国人指揮者招聘も多数。

■東京交響楽団
設立は1946年、東宝交響楽団として近衛秀麿、上田仁、万フレッド・グルリットらによって構成された。51年には現在の東京交響楽団に改称、ラジオやレコーディングなど精力的な活動を行うようになった。東京交響楽団の特徴は初演作品が多いことで、主なものにバルトーク「管弦楽のための協奏曲」ベートーヴェン「ミサ曲ハ長調」ドヴォルザーク「序曲・謝肉祭、マーラー「嘆きの歌」、モーツァルト「ピアノ協奏曲第9番、第24番」歌劇「魔笛」、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、ラフマニノフ「交響曲第2番」、ヴィヴァルディ「四季」などその数はかなりのものになる。

■日本フィル・ハーモニー管弦楽団
1956年、文化放送の専属オーケストラとして発足。渡辺暁雄が発足当時の、その後を小沢征爾が常任指揮者を務めた。シャルル・ミュンシュを招いての演奏会も多数。順調な活動を続けてきたが、1972年に文化放送が径庭撤退したことにより財団法人が解散し、小沢征爾ら団員の一部が新日本フィルを結成するに至る。その後、日本フィルは「市民とともに歩むオーケストラ」をスローガンにして自主運営での活動を続け、現在では斬新で意欲的なプログラムをひっさげた精力的な公演を数多く行っている。

■東京フィルハーモニー交響楽団
1911年に名古屋で組織された松坂屋少年音楽隊から中央交響楽団、東京交響楽団、東京都フィルハーモニー管弦楽団、と改称を続け、1948年に現在の東京フィルハーモニー交響楽団となった。歴代指揮者は渡邊暁雄、ニコラ・ルッチ、アルベルト・レオーネ、大町洋一郎、尾高忠明、大野和士などが務めている。本拠地はオーチャードホール。日本初演をした作品が多い。「魔弾の射手」「バラの騎士」などオペラ作品の演奏も多数。

■読売日本交響楽団
1962年、読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビ3社のバックアップで発足。当時の楽団員の多くは「インペリアル・フィルハーモニー交響楽団」と「日本フィルハーモニー交響楽団」からの移籍。外国人指揮者を積極的に招いて演奏することがこの楽団の特徴で、これまでハチャトリアン、ストコフスキー、オッテルロー、チェルビダッケ、インバル、マゼール、メータ、デュトワなどそうそうたる指揮者が客演を行っている。現在は名誉指揮者を尾高忠明、主席指揮者をゲルト・アルブレヒトが勤めている。こちらの楽団も日本初演が少なくない。アシュケナージ、アラウ、アルゲリッチ、チョン・ミュンフン(ピアノ独奏)、ベネデッティ=ミケランジェリ、ラローチャ、リヒテル、ルービンシュタインら、大物ピアニストとの共演も多数。




BACK

Copyright(C)2004 VIVA PIANIZM. All Right Reserved.
2style.net