ウルフ359の戦い

2367


2365年、惑星連邦艦 U.S.S エンタープライズD Enterprise NCC-1701D はQのいたずらにより数千光年の距離を飛ばされた。これにより惑星連邦はボーグとファーストコンタクトを行う。この接触は絶望的な結果に終わり、惑星連邦は彼らの技術力に圧倒された。そして彼らの攻撃に備えるために数々の新兵器群の開発をはじめた。惑星連邦の存在を知ったボーグは連邦を同化するため1隻のボーグ・キューブを地球に派遣した。

2366年ついにボーグ・キューブが連邦領域に侵入、地球へと進行を続けた。あくる2367年連邦側はJ・P・ハンソン提督率いる宇宙艦隊を地球から7.6光年の距離にあるウルフ359星域に集結させ迎撃の任に当たった。ボーグは惑星連邦においてもっとも優秀な士官のひとりであるU.S.S エンタープライズDの艦長であるジャン・リュック・ピカード大佐を拉致、同化してロキュータスにして宇宙艦隊との戦いを指揮させた。かれは宇宙艦隊の戦法に精通していたため迎撃艦隊は完全に動きを読まれ、完膚なきまでに叩きつぶされた。39隻の艦艇と1,1000人以上の戦死者を出しながらも惑星連邦がボーグに同化されなかったのはエンタープライズDのクルーがピカードの奪還に成功し、ピカードがロキュータスとしてボーグに休眠命令をだしたことによりキューブが自爆したためである。

相手のことをしることは非常に重要なことであり戦局を左右する可能性が高いものである。地球の古代中国の兵法家である孫子も「敵を知り、己を知れば百戦して危うからず」と彼の著書において述べている。敵の動きを読み戦局を大きく変化させた例として20世紀中頃の戦闘がある。

1941年日本の奇襲に始まった太平洋戦争は日本の圧倒的優位下で進んでいた。1942年4月のアメリカ軍の東京初空襲によってあせった日本軍はアメリカ軍の太平洋における最大の根拠地であるハワイへの足がかりとなるミッドウェー島の攻略を企図したミッドウェー攻略作戦を実施した。しかしこの行動は日本軍の暗号がアメリカ軍に解読されて読まれていた。アメリカ軍は使用可能な空母をすべて投入し日本軍の機動部隊を迎え撃ち日本軍は主力空母4隻を失った。これにより以後の太平洋戦争の流れが変わったのである。

ウルフ359の戦いにて惑星連邦は39の艦艇と11,000人以上を失った。このときの戦訓を生かして作られた船がディファイアント級戦闘艦である。もっともこの対ボーグ戦に作られた戦闘艦が主に活躍したのがドミニオンが相手とは少々皮肉ではあるが十二分にその役割を果たしたことを考えれば、敵戦艦を長距離より粉砕するために作られながら航空機相手の戦闘を強いられ、戦艦に対して1発の砲弾も放つことなく海へと消えていった日本軍の史上最強の戦艦 大和 よりはよほどいい結果と言えるだろう。

強大な敵の出現によるショックで新兵器を開発するのはある意味必要なことであり、何も対策しなければ手痛い目にあうことは明らかである。

1941年7月ソビエト連邦に侵攻したドイツ機甲部隊は突如出現したソ連の新型戦車に驚愕することになる。ドイツの主力戦車の3号戦車も37mm対戦車砲もその戦車のまえにはあまりに無力であった。第二次世界大戦における最優秀戦車とも呼ばれるT-34である。この新鋭戦車に衝撃を受けたドイツ軍はそれに対抗できる戦車の開発に乗り出した。5号戦車パンターはそれまでのドイツの戦車とまったくことなった形状となり、高い攻撃力、機動力、防御力を持っていた。その後パンターより発展した6号 ケーニヒスティーガー などとともに連合国側の機甲部隊を最後まで苦しませ続けたのである。

逆になにもせずに手痛い目にあったといえば日本軍である。1939年の満州(今の中国東北部)と北蒙古(今のモンゴル)の国境でおきたノモンハン事件の際、T-34の前身といえるBT戦車に日本軍の戦車や大砲はまったく歯が立たなかった。しかしこれによってBT戦車に対抗できる戦車をつくろうとは日本軍はしなかったのである。その結果、第二次世界大戦において「1台のタイガー戦車に対して4台以下のM4で向かってはいけない」という通達がでるほどドイツ戦車に対して分が悪かったアメリカ軍の戦車に対して日本軍の戦車は「鉄の棺桶」以上の役割を果たすことはなかったのである。

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