ブルー(Hugh)

2368


2368年、ある惑星に不時着していたボーグ1体が惑星連邦のU.S.S. エンタープライズNCC1701-Dによって
発見された。以前ボーグに拉致され、連邦への攻撃の手助けをさせられた艦長のジャン・リュック・ピカード
はこのボーグの脳にウィルスのような破壊的プログラムを埋め込み、ボーグが集合体に戻ったときに
すべてのボーグに感染し、集合体が絶滅するようにしようとしていた。

こういったプログラムは「トロイの木馬」とも呼ばれて現在のコンピュータにとって大いなる脅威となっている。
一見、普通のプログラムを装いながら内部に侵入し、PC内の情報を奪ったり、破壊するものである。
このプログラムの名称となっている「トロイの木馬」は目標の内部に侵入し破壊するイメージからつけられた
神話に基づく名前である。

ギリシャ神話のゼウスが海の女神テテュスに恋しながらも、プロメテウスに「彼女の子は親を凌ぐ。」
と予言されたために人間のペレウスに嫁がせた。この結婚式においてゼウスの正妻ヘラ、知恵と戦争の
女神アテナ、愛と美の女神アフロディテの三人が誰が最も美しいかで争い、その決定は
自分が巻き込まれたくなかったゼウスに指名されたトロイヤの王子パリスに委ねられた。
彼は「世界の王にしてやる。」と言ったヘラや「知恵と勝利を与える。」と言ったアテナではなく、
「地上で一番美しい女と結婚させてやる。」と言ったアフロディテを選んだ。
そして彼はゼウスとスパルタ王妃レダの間に生まれたヘレネという女性と恋に落ち、
結婚したがひとつ問題があった。というのもこのヘレネという女性、なんとすでにスパルタ王メラネオスの妃
だったのだ。メラネオスの兄、ミケナイ王アガメムノンは仲介をしようとしたがトロイヤ側が無視、
これに激怒した彼は美人のヘレネにかつて求婚していたものたちや人を見抜く眼力をもつパラディウス、
参戦したくなくて気が狂った振りをしていたのをパラディウスに見破られた智将で後にオッデセイを
書くことになるオデュッセウス(英語名ユリシーズ)やペレウスとテテュスの子のアキレスなどを
集めてトロイヤへと攻め込んだ。

トロイヤの勇士ヘクトルがアキレスの親友パトロクロスを倒せば、今度はアキレスがヘクトルを倒し、
そのアキレスのアキレス腱をパリスが弓を射って倒し、そのパリスもヘラクレスの弓によって倒れる
という激しい戦闘が行われた。トロイヤ側は徹底した籠城戦に戦術を変更したためギリシャ側は
攻めあぐねた。そこでかれらは50人の兵隊を収容した巨大な木馬をつくり、それをギリシャ軍が
置いて行ったようにみせたのである。トロイヤはギリシャ軍が撤退したと思い、トロイヤ王の娘カサンドラや
アポロン神官のラオコーンに反対されながらも木馬を戦利品として城内に運んだ。その夜、木馬で
忍び込んだ兵隊によりトロイヤ王プリアモスは殺され、トロイヤは陥落した。こうして10年あまり続いた
戦争が終結した。

トロイヤを落としたギリシャ側も傷跡は大きく、帰還中に嵐にあったりした。またアガメムノンは
ミケナイに帰還した直後に妻とその情夫であったアガメムノンの従兄弟に殺害された。
この戦争によってギリシャ全体が消耗しやがて没落していった。トロイヤは後にシュリーマンに
発見されるまで土に埋もれ単なる伝説とされていた。

このボーグ、ブルー(ヒュー)を「トロイの木馬」とする計画は彼に自意識が発生したことに衝撃を受けて
中止された。しかし集合体に戻された彼が持っていた自己の意識は単一の意識しかなかった集合体
に対して壊滅的な打撃を与えることになった。

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