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装着してしまったら、治療の中止は可能か

治療をしない、もしくは中止するときの要件は4つあります

1、終末期である (不治かつ末期である)
2、充分な情報の提供がなされ、患者が理解したこと (インフォームドコンセント)
3、患者本人の意思である
4、医療ケアチームによる医療方針の判断である

1、終末期はどうやって、誰がきめるのか

余命を告げられたら終末期ということです。でも、延命治療を中止する場合はそれだけでは不十分です。
厚生労働省の 「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では、
どのような状態が終末期かは、患者の状態を踏まえて、医療・ケアチームの適切かつ妥当な判断によるべき事柄です。とあります
各医学会もこれを踏襲した提言をだしています。その上で、日本救急医学会、日本老年医学会、日本学術会議 「終末期医療のあり方について」(平成20 年2月14日)では終末期を定義しています。

1)急性型(救急医療等)

「妥当な医療の継続にもかかわらず死が間近に迫っている状況」、次の四つのいずれかを指す。

1、脳死と判断された場合、
2、生命維持が人工的な装置に依存し、必須臓器の機能不全が不可逆的な場合、
3、他の治療法がなく、数時間ないし数日以内に死亡することが予測される場合、
4.積極的な治療の開始後に回復不能な病気の末期であることが判明した場合

2)亜急性型(がん等)

「生命予後」が半年あるいは半年以内

3) 慢性型(高齢者、植物状態、認知症等)

悪性腫瘍の終末期、脳卒中の終末期、認知症の終末期、呼吸不全の終末期など、高齢者に多く認められる不可逆的、進行性の経過をたどることの多いため、個別疾患ごとに考える必要がある。

2、充分な情報の提供がなされ、患者が理解したこと

インフォームド・コンセントとも言います

患者にとって最も重要な事柄ですが、この点についての踏み込んだ提言はほとんどありません。
あえて抜粋すると
自分たちの判断がたとえ実際上標準的であっても、あたかも確実なものであるかのように提示しない
治療により予想される経過を出来る限り具体的かつ平易に説明し理解を得る
途中で変更できること、変更しても後戻りできない段階があることについても説明し理解を得る
代表した意思を持たない家族と担当医が単独で話し合うような事態は避ける
予定された日時と場所に複数の医療者と代表する意思を持つ家族とが合議のうえで決定する
プライバシーが保てる落ち着いた場所で説明し、充分な時間を提供して、意思を確認する

私が重要と考える点を付け加えると

提案した治療法の利益と不利益を充分に説明する
提案した治療法以外の選択肢についても、他の医療機関も含めて情報提供する
偏った情報の提供や表現方法で医師の考えに誘導しない
医学的な視点での説明に終わらず、本人の生活がどうなるかといった人生の観点での説明もする
理解できない専門用語の使用やあいまいな表現をしない
威圧的な言動や、退院をほのめかさない

3、患者本人の意思確認

本人の意思が確認できる場合は、その決定を基本とされます

では、本人の意思確認が困難な時はどうするのか
厚生労働省、日本老年医学会、日本学術会議、日本集中医療学会などでは、概ね同じ見解をだしています。
① 家族が患者の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、患者にとっての最善の治療方針をとることを基本とする。
② 家族が患者の意思を推定できない場合には、患者にとって何が最善であるかについて家族と十分に話し合い、患者にとっての最善の治療方針をとることを基本とする
やはり、この「延命治療拒否ー事前指示書」のように、本人の意思を書面化しておくことが大事ですね。
ただ、家族の判断や医療チームの判断により大きく作用されて無視される可能性もあり得るわけです。
ですから事前指示書作成はもちろんのことですが、家族の理解と同意もはずせない要件になります。
ちなみに、日本集中医療学会の「終末期医療に関して日本集中医療医学会から皆様への提言、2012でも
「どのように人生の最後の時を過ごすのかを事前意思として表明しておくことを推奨致します。事前意思表明は、個人の意思表明として最も尊重されるものです」と、本人の意思表明を推奨しています

4、医療ケアチームによる医療方針の判断

終末期の判断と同じく治療中止の判断も単独でしてはいけません

厚生労働省の 「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では
担当医師と看護師及びそれ以外の医療従事者からなる医療・ケアチーム。とだけ言っています
日本老年医学会、日本集中医療学会、日本学術会議でもほぼ同様で
医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、ケアマネージャー、介護福祉士など
症例検討会等で合意を得る
多職種医療従事者から構成される医療・ケアチーム。とされています

医師一人と他の医療従事者の場合、医師と他との間には絶対的な上下関係がありますから、この医師の判断に追従しがちだという問題点があります。個人病院の医院長と勤務医との間にも同様の力関係が働いていますから、その辺も考慮して病院を選ぶ必要があるかもしれません。

以上の4項目の決定プロセスを踏んでいれば、中止して死亡しても法的には問題ないはずですが、、

とはいえ、病院や医師がスムーズに受け入れてくれるとは限りません。まだ、実績も認識も不足しているようです。

家族全員の同意と理解

医療関係者が治療しないや中止を躊躇する理由のひとつに、死亡後の告訴や賠償問題の発生があります

過去の刑事事件の中には、家族の希望で行った取り外しにもかかわらず、殺人罪に問われたものもあります。
川崎協同病院事件
ただ、事件の経緯や判決文を詳らかに見る限り、本人の意思が明確になっていて、上記4項目を満たしていれば罪に問われるはずのないものです。他の事件も同様です
しかし、医師は、家族が一枚岩ではない事や「同意」が「不同意」に変化しやすいことを経験から知っているので、軽々に実行できないのだと思います。
たとえば、滅多に実家に帰らない遠くの家族が、治療中止決定後に反対し、決定を覆す、あるいは死亡後に医師を非難する等です。
これは家族が多くなればなるほど複雑になり、利害がからんで対立しがちです。賠償金がもらえるとなれば、後からむしかえされて訴えられかねない。こう考えるのは無理からぬことです
ですから、家族全員の事前の理解と同意は必ず必要です。さらに「延命治療拒否ー事前指示書」には、賠償請求で利益を得る家族全員(遺産の相続権者)の氏名を書き、同意、確認の署名を添えておいたほうが良いと思います。

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