私の西洋古楽事始



 「なぜ、クラシックの中でも、よりによって古楽(バッハ以前の西洋音楽)をとりあげるのか?」と思う方もいらっしゃると思うので、私が古楽にはまった顛末を少々書き付けておきます。

 私がバッハ以前の西洋音楽に遭遇したのは、高校一年の夏休みでした。当時、NHKのFM放送では、朝の6時から1時間、「バロック音楽の楽しみ」という番組をやっていたのですが、これをほんの偶然に聞いたことに端を発します。
 なぜ、そのときラジオを聴いていたのか、その理由はもう忘れてしまいましたが、その時始めて聞いた宗教曲(ジョスカン・デ・プレ(1440?〜1521)作曲『ミサ・ロム・アルメ』)に「一聴き惚れ」をしてしまったのでした。始めて聴いたその曲は所々ギョッとするほどの不協和音を響かせながら、なぜかひどく心休まる音楽で、それを聴きながら他の曲も聴いてみたいという欲求が沸々と湧いてきたのを覚えています。

 それからは、ラジオの放送を頼りにレコード屋でその手の音楽を買いまくりました。もちろん、使えるお金は限られていいましたし、何でも買えるわけではありませんでしたが、一曲でも多く聴いてみたいという気持ちが抑えられず、毎月せっせと通っては1枚2枚と購入し、飽きもせずに毎日聴いておりました。
 ただし、音楽史に沿って系統だって聴いたわけではありません。作曲者や演奏者を選ぶということもほとんどありませんでした(そもそも、当時は、作曲者や演奏者でライブラリーが作れるほど、豊富に日本語の解説付きの古楽のレコードがあったわけではありませんが)。文字通り、手当たり次第に聴きまくり、古楽について独学で勉強を始めたのはそれから後の事です。
 「バロック音楽」と一般的に呼び慣わされている音楽のうち、私の好きな曲や作曲家は、正確にいうと、バロックより前のルネッサンス期それもフランドル楽派と呼ばれている所に集中していることも、そのとき知りました。

 ところで、私は音楽教育は小・中学校の授業でしか受けたことはありません(結構これが、コンプレックスだったりします(笑))。ですから、音楽の構造を、聴きながら分析するなどということは出来ません。対位法がどうしたとか、ソナタ形式がどうだとか、ポリフォニーはこうだとかといったことを、聴きながら理解するなんてことは逆立ちしても出来ません。ただ単に、感覚的に好きか嫌いかだけでレコードやCDを鑑賞している人間です。
 そんな私ですが、このページでは特に好んで聴いている曲について、自分なりの感想やら覚え書きを載せたいと思っています。自分でもかなり無謀な試みだと思いますし、前述の通りの人間ですので的外れな発言が多いと思いますが、音楽好きな素人のひとつの感想として暇つぶしに読んで下さるとありがたいです(笑)。

 なお、それぞれの項目の最後に私の愛聴するCDやレコードの事が出てきますが、あえてレコード番号やレーベルを記入していません。何故そうしたかというと、まず第一に、国内レーベルで発売されるものは、比較的短い期間で廃盤にされたり、輸入代理店が変更したりで、番号を頼りに探そうとしても探せないことが多いこと、第二に、私の愛聴盤の多くは、中古レコード屋で集めた古いLPレコードだという理由からです。
 はなはだ不親切な書き方で申し訳ないのですが、どうかご了承下さい。



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