札幌古楽の夏音楽祭2001より
ヴィルテュオーゾ・リコーダー 〜Sebastian Marq Recorder Recital〜

2000年8月9日(木)19:00
札幌コンサートホール《Kitara》小ホール

    セバスティアン・マルク:リコーダー
    福沢 宏:ヴィオラ・ダ・ガンバ
    岩淵恵美子:チェンバロ


1.17世紀前半におけるヨーロッパの劇場音楽
    Theatre Music in Europe in the first half of the XVIIth century
イギリスのマスク音楽 Maske Music in England
  古い聖堂 The Temple Anticke I作曲者不詳 English Anoymous(ca 1610)
  ニンフの踊り The Nymphs Dancc作曲者不詳 English Anonymous (ca 1610)
  魔女違の踊りII The Second Witches Dance作曲者不詳 English Anonymous (ca 1640)
  アドソンのマスク Adsonns MaskeJ.アドソン J.Adson (ca 1580-1640)
  シンフォニー(ハンドメイドの音楽より)
  Symphony (from Musicks Handmaide)
W.ローズ
W. Lawes ( 1620-1645)
  ごめんなさい(J.ダウラントより)
  Excuse Moy (from J.Dowland)
J.ファン・アイク
J.Van Eyck(1590-1657)
  国王の愛人 The Kings Mitress作曲者不詳 English Anonymous (ca 1610)
  ハ−ローの戦い The Battell of Harlo作曲者不詳 English Anonymous (ca 1610)
「笛の楽園」〜フランスとイギリスのテーマによるオランダの変奏曲
  Der Fluyten Lust-Hof. Dutch ariateions on French and English Themes
  わたしを癒してくださるなら
  Si vous me voules guerir
J.ファン・アイク
J. Van Eyck (from F. de Chancy)
  スコットランドの歌 Een Schots LietjenJ.ファン・アイク J. Van Eyck
  イギリスのナイチンゲール Engels NachtegaeltjeJ.ファン・アイク J. Van Eyck
・イタリアのオスティナート、パッサッジョ、ソナタとカンツォーナ
  Italian Ostinati, Passaggi, Sonate e Canzone
  パッサメッツオ・アンティコとラ・ガンパ
  Passamezzo Antico e La Gamba
即興演奏
Imprpvisation on an Ostinato Bass
  ディミニューション Diminutions on Vestiva i ColliB.サラヴェルデ B.de Salaverde (fl 1638)
  ラ・ガリーナ La GallinaT.メルーラ T. Merula (1595-1665)
  ソナタ第2番 Sonata secondaD.カステッロ D. Castello (tl 1625)
―――休憩―――
2.ヨーロッパにおけるフランスの影響 The French influence in Europe
組曲二短調(無伴奏チェロ組曲第2番)
  Suite in d minor for solo recorder from cello suite n°2 BWV1008  
J.S.バッハ
J.S. Bach (1685-1750)
リコーダーのためのソナタ
  Sonate pour la flute a bec
A.D.フィリドール
A.Danican-Philidor(1681-1728)
20世紀のフランス音楽 Music in Paris in the XXth century
  パンの笛 Syrinx(1913)C.ドビュッシー C.Debussy(1862-1918)
  牧歌 Villanelle (1943)O.メシアン O.Messiaen(1908-1992)
  クラリネット独奏のための3つの作品より「第三番」
  Piece n°3 from 3 pieces for clarinet soro (1918)
I.ストラビンスキー
I.Stravinsky(1882-1871)


2001年の札幌古楽の夏音楽祭のコンサート第2夜は、セバスティアン・マルクによる、17世紀前半から20世紀の半ばまでの、約350年間にわたるリコーダー曲を集めたリサイタルでした。

セバスティアン・マルクは、ソロ活動もしていますが、ウィリアム・クリスティー率いるレ・ザール・フロリサンのレギュラー・メンバーとして参加しているほかに、マルク・ミンコフスキー、トン・コープマン、クリストフ・ルセ、ピエール・アンタイらと共演し、何枚か録音も出ています。また、現在オランダのデン・ハーグ王立音楽院でリコーダー科の講師も務めているそうです。

今回の札幌でのコンサートは、年代順ながら、非常にバラエティに富んだ、様々な曲を聴くことが出来ました。様々なリコーダーに持ち替えながらの演奏は、次から次と万華鏡を見るような面白さがあって、上手い、凄い、格好いい、と溜息をつきつつ聴きました。途中、A.D.フィリドールの「ソナタ」の所で、音が平板な感じがして眠り込みそうにはなった時もありましたが、全体を通して、とても面白い演奏会だったと思います。

特に、バッハの「無伴奏チェロ組曲第2番」のリコーダー編曲版はとても印象的な曲でした。この曲のリコーダー版としては、GLOSSAから録音が出たハーゼルゼットの演奏を聴いた方が多いのではないかと思いますが、セバスティアン・マルクの演奏は、のめり込むような情熱を感じさせるハーゼルゼットの演奏とは違って、一歩引いたような、淡々としたシンプルな演奏でした。けれど、逆に言えば、しっかりとバッハと対峙した上での、理知的で緻密な演奏でもあったと思います。他の組曲も聴いてみたいと思わせる、完成度の高い演奏だったと思います。

リコーダーのソロ・リサイタルというのは、今回はじめて聴いたのですが、セバスティアン・マルクは本当に格好良かったです。我が家には、彼の演奏が入ったCDはASTREEから出ている、ル・コンセール・フランセの物が2枚ほどあるだけなのですが、他の録音も探して聴いてみたいと思っています。本当に夏向きの、爽快な演奏会でした。

(2001.10.02)


2style.net