Kitara札響シリーズvol.16
マエストロ尾高の音楽散歩「英国の名曲を訪ねて」

2001年1月28日(日)14:00
札幌コンサートホール《Kitara》大ホール

    指揮尾高忠明
    メゾ・ソプラノ重松みか
    オルガンファッサン・ラロス
    管弦楽札幌交響楽団


ヴォーン=ウィリアムス
グリーン・スリーヴズによる幻想曲    
Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
Fantasia on 'Greensleeves'
グレース・ウィリアムス
「シースケッチ」より
    III 海峡の魔女達
    IV 砕ける波
    V 夏の穏やかな波
Grace Mary Williams (1906-1977)
from'Sea Sketches'
    III Channel Sirens
    IV Breakers
    V Calm Sea in Summer
ディーリアス
春を告げるカッコウを聴いて
楽園への道
Frederik Delius (1862-1934)
On hearing the first cuckoo in Spring
The walk to the paradise garden
アイルランド民謡
庭の千草(夏の最後のバラ)
Traditional
The Last Rose of Summer
 
―――(休憩 15分)―――
 
エルガー
序奏とアレグロ
海の風景 作品37
    I 海のまどろみの歌
    II 港にて
    III 海の安息日の朝
    IV 珊瑚の横たわるところ
    V 泳ぎ手
行進曲「威風堂々」第1番
Edward Elgar (1857-1934)
Introduction and allegro
Sea Pictures op.37
    I Sea Slumber Song
    II In Haven
    III Sabbath Morning at Sea
    IV Where Corals Lie
    V The Swimmer
Pomp and circumstance op.39-1



2001年最初のコンサートは、Kitaraで札響(札幌交響楽団)になりました。実は、札響をちゃんと聴くのは4年ぶりでありまして、もちろん、Kitaraで聴いたのは初めてでした。

古楽の次に好きな20世紀前半の、それもイギリスの曲ばかりという美味しいプログラムの演奏会だったのですが、札響の演奏なので、出来の方はあまり期待しないで聴きに行ったのですが、最初の肩慣らしの「グリーンスリーヴズによる幻想曲」がはじまった途端、“目から鱗”の状態になりました。

昔の札響は、管楽器は良いけれど、弦楽器は音が薄くてイマイチという印象があったのですが、4年ぶりに聴いた札響の響きは弦楽器の響きが重厚で、昔の面影すらありませんでした。Kitaraという劇場のおかげもあるかもしれませんが、弦楽合奏が本当に綺麗な響いて、思わず聴き惚れてしまったくらいです。

2曲目の「シースケッチ」も弦楽合奏で、はじめて聴いた曲でしたが、作曲者のグレース・ウィリアムはヴォーン=ウィリアムスのお弟子さんとのことで、美しい旋律の曲でした。特に『夏の穏やかな海』は、波のたゆたうような感じが良く出ていたと思います。

次のディーリアスの2曲は、ディーリアスの作品の中でも特に好きで、独特のハーモニーと転調が味わい深い曲なのですが、札響の演奏は繊細で透明感があって、これぞディーリアスという感じでした。演奏によっては、ディーリアスの曲は“子守歌”にもなりかねない楽曲なんですが、身びいきが3割としても、札響の演奏はかなりのレベルだったと思います。

15分の休憩を挟んで、後半はエルガーの曲が3曲でした。その中でも、メゾ・ソプラノの重松みかさんが歌った、ハープの音色が印象的なオーケストラ伴奏歌曲「海の風景」は、本当に素晴らしかったと思います。かなり音域の広い曲で、低音部はほとんどアルトの音域だったのですが、音程も声量も申し分ない、魅力的な歌唱を聴かせてくれました。聴いている限りでは息継ぎも難しそうで、指揮者の尾高さんの話では、イギリスでも歌う人は2人くらいしかいないという事でした。

コンサートの最後を締めくくった「威風堂々第1番」も、押さえるところはきっちり押さえ、盛り上がるところは大いに盛り上がった、力こぶの入った迫力のある演奏でした。終わった時の爽快感は、最近のコンサートの中でも出色だったと思います。

細かいことを言えば、弦と管のアンサンブルや打楽器陣など、難癖を付けるところは色々あるのでしょうが、今回のコンサートを聴きに行ったおかげで、しばらく止めていた札響の会員に、2001年度は久々になってみようと思ったくらいに感動しました。

今回の演奏会では、曲によってオーケストラの編成がかなり変わるので、曲の合間に指揮の尾高忠明さんがイギリスの事などを、とっても軽妙(思わず客席から笑いがこぼれるほど)に語って下さったんですが、その中で、今年札響が創立40周年になるのを記念して、秋にはイギリス公演に行く予定との事でした。でも、まだそのための旅行費が貯まっていないのだそうです。そんなわけで、今年は札響のコンサートにも頻繁に行って、CD(CHANDOSから出ました)も買ってみようと思っています。


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