パリ・シャンゼリゼ管楽合奏団 / 秋の古楽・3夜連続公演【第2夜】
 モーツァルト《グラン・パルティータ》K.361(370a)管楽8重奏,他

1998年11月25日(水)19:00
札幌コンサートホール《Kitara》大ホール

    オーボエ:マルセル・ポンセール,北里孝浩
    クラリネット:ジェーン・ブートゥ,ギイ・ファン・ヴァース
    ホルン:クロード・モーリー,ペトルス・ドンブレヒト
    ファゴット:マルガレート・ボンゲース,ジャン=ルイ・フィアット
    コントラル・ファゴット:フィリップ・ミクー

 ジョアッキーノ・ロッシーニ (1792-1868)
  歌劇《セヴィリアの理髪師》序曲
  W.セドラック(1776-1851)編曲による管楽合奏版

 ヨーゼフ・ハイドン (1732-1809)
  交響曲第92番《オックスフォード》より
  J.トリーベンセー編曲による管楽合奏版
   第2楽章 アダ−ジョ ハ長調(原曲はニ長調)
   第4楽章 アレグロ・プレスト ヘ長調(原曲はト長調)

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756-1791)
  《グラン・パルティータ》K.361(370a)
  ボンのジムロック社(Nr.994)の出版譜にもとづく管楽8重奏版



第2日目は管楽8重奏でした。メンバーが9人なのに8重奏なのは、コントラル・ファゴットはファゴットの低音部を担当するので、数に数えないからだそうです(途中のレクチャーで、オーボエの北里さんがそのようなことを言っていました)。 

今回の演目は全部管楽に「編曲」したものですが、どれも非常に面白く聴けました。なにより、モダン楽器と違ってオリジナル楽器は音が柔らかくて、管楽器ばかりでも突き刺さってこないのが良いと思いました。小ホールの前から8列目で聴いたのですが音が柔らかく響いていて、モダン楽器より優しい感じがしました。

モーツァルトの『グラン・パルティータ』は、元々が管楽13重奏という管楽器アンサンブルを管楽8重奏に編曲したものです。オリジナルの方はヘレヴェッヘ指揮のパリ・シャンゼリゼ管弦楽団ですばらしい録音がありますが[HMF-KKCC387]、この8重奏盤もそのうち録音してくれないかしら、と聴きながら思っていました。編曲盤の方が楽器が少ないせいか原曲よりシンプルな音で、私の好みにあっていたようです(原曲も好きですが)。

ところで、2曲目のハイドンの交響曲で第2楽章の演奏が終わったときに、オーボエの北里さんがやおら立ち上がると、使っている楽器の説明を始めました。オリジナル楽器とモダン楽器の違いがわからない人も当然いたと思うので、非常に親切なことではありましたけれど、唐突な感じを受けたのも事実です。プログラムにそれらしきことが書いてなかったので、なおさらだったのかもしれません。レクチャーをするのは、1曲目の『セヴィリアの理髪師』のあとか、ハイドンの4楽章の終わった後の方が良かったのではないかと思いました。レクチャー自体はそれぞれの楽器の特徴がよくわかる、非常に面白いものだったので、なおさらそう思いました。

それにしても、演奏する様子を見ていると、管楽器はベートーヴェン時代のオリジナル楽器と現在のモダン楽器では、まったく違う楽器だとつくづくと感じました。特にホルンは、曲の途中でしょっちゅう管を交換しなければならない楽器だったということを頭ではわかっていましたが、実際に目の前で演奏しているのはお見て、どれぐらい大変なのか納得しました。ほとんど曲芸の用で、曲によっては1小節ごとに交換する場合もありました。それでもちゃんと音が途切れずに演奏される様子を近くで見ることが出来て、本当に面白かったです。

アンコール曲が『雪が降る町を』だったのはご愛敬でしたが、総じて楽しい演奏会だったと思います。やっぱり、私はオリジナル楽器の音の方が好きなんだな、と改めて感じた次第でした。


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