コレギウム・ヴォカーレ / 秋の古楽・3夜連続公演【第1夜】
 バッハ一族とハインリッヒ・シュッツのモテットから

1998年11月24日(火)19:00
札幌コンサートホール《Kitara》大ホール

    指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ Phippe Herreweghe
    合唱:コレギウム・ヴォカーレ Collegium Vocale Gent

    チェロ:諸岡範澄
    コントラバス:西澤誠二
    ポシティーフオルガン:今井奈緒子

 ヨーハン・バッハ (1604-1673)
  私の魂よ、再び安らうがよい
  地上の私たちの人生は影のようなもの>

 ヨーハン・ミヒャエル・バッハ (1648-1694)
  イエス・キリストの血潮

 ヨーハン・クリストフ・バッハ (1642-1703)
  恐れることはない
  愛する主なる神
  神を信頼する人は

 ヨーハン・ルートヴィッヒ・バッハ (1677-1731)
  私たちの一時の軽い艱難は

 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
  聖霊も私たちの弱さを助けて下さいます (BWV226)

 ハインリッヒ・シュッツ (1585-1672)
 《宗教的合唱曲集より》
  主よ、私はあなたに寄り頼みます (SWV377)
  主に結ばれて死ぬものは幸いである (SWV391)
  おお、愛する主よ (SWV381)
  涙とともに種を蒔く人は (SWV378)
  私は荒れ野で叫ぶ声である (SWV383)
  それは真実な言葉 (SWV388)

 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
  新しい歌を主に向かって歌え (BWV227)



ほぼ1年ぶりにコンサートに行きました。3日連続で体力が続くかどうかはなはだ不安でしたが、初来日のヘレヴェッヘの演奏会ということで、とにかく3日通しの券を購入しました。

第1夜目のコレギウム・ヴォカーレのコンサートは、休憩を挟んで前半がバッハ一族、後半がシュッツのモテットというプログラムで、それぞれの締めにJ.S.バッハのモテットを持ってくると構成でした。

前半のバッハ一族の音楽は、J.S.バッハの息子達ではなくて、大叔父さん(ヨーハン・バッハ)や叔父さん達の作曲したモテットです。初めて聴いた曲が多かったですがどれもかっちりとした構成のモテットで、“ドイツの職人”が作った音楽、という感じがしました。中でもヨーハン・クリストフ・バッハの作品は、J.S.バッハにつながる雰囲気があったように思います。

後半のハインリッヒ・シュッツのモテットは、《宗教的合唱音楽(ガイストリッヒェ・コアムジーク)SWV369〜397》からの抜粋で、今回演奏された曲は同じメンバー(ヘレヴェッヘ/コレギウム・ヴォカーレ)でCDが出ていますが[HMF-KKCC346]、94年時の録音の時よりもコレギウム・ヴォカーレがいっそう訓練されていて、シュッツの真摯な音楽がよりいっそう感動的に再現されていました。

J.S.バッハの2曲のモテットは、彼のモテットとしては比較的規模の大きな2重合唱形式の作品で、バッハのモテットの中でも優れたものです。ヘレヴェッヘとコレギウム・ヴォカーレは、この音楽柔らかい丸みを持たせて演奏していました。峻厳な襟を正さねばならない音楽ではなくて、もっと聴く人を包み込むような優しい、暖かみのあるバッハでした。

とにかく、コレギウム・ヴォカーレの演奏がすばらしくて、2時間近くがあっという間に過ぎてしまった演奏会でした。特に、ソプラノの柔らかさと透明感な美しさは感動的で、家に帰ってからも感動のあまりしばらくボーっとしていたくらいです。

伴奏を担当されたチェロの諸岡範澄さん(BCJのメンバーでもります)とコントラバスの西澤誠二さん、ポシティーフオルガン(初めて実物を聴きました!)の今井奈緒子さんの演奏もしっとりとした良い音で、合唱の音色とぴったりと合っていてすばらしかったです。

プログラムが地味だったせいか、お客さんの入りが6割程度だったのがかなり残念でしたが、本当に良い音楽を聴くことが出来たコンサートでした


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