17 オペラの元祖
  クラウディオ・モンテヴェルディ/オルフェオ
  Claudio Monteverdi(1567-1643)/L'Orfeo

1607年の春、マントヴァ公ゴンガーザ家で上演されたモンテヴェルディの最初のオペラ《オルフェオ》は、バロック期の幕開けを告げるものでした。

その規模の大きさと密度の高さは、近代オペラの基礎を確立するものであり、《オルフェオ》以後、オペラはバロック期から現代に至るまで、最も重要な音楽形式のひとつとして豊かに展開して行きます。

結婚を祝うオルフェオらのもとに、花嫁であるエウリディチェの死を告げる使者が駆け込んでくる場面の心理描写の巧みさや、エウリディチェを求めて冥府に下るオルフェオの嘆きの歌のなど、モンテヴェルディの音楽が持つ感情表現の巧みさと劇性は、それまでの音楽には存在しないものでした。

モンテヴェルディ以前にもオペラは作曲されましたが、充分な音楽性をそなえたオペラは《オルフェオ》が最初であり、近代オペラはモンテヴェルディの音楽書法を踏襲しながら発展していくことになったのです。


 
【 Reference Disk 】
ヤーコプス盤 ルネ・ヤーコプス指揮/コンチェルト・ヴォカーレ
 《オルフェーオ》
 1995年録音 harmonia mundi FRANCE [KKCC 333/4]

モンテヴェルディのオーケストレーションを魅力を引き出した、刺激的で生き生きとした録音。繊細な朗唱と迫力ある合唱の対比は見事というほかありません。大劇場向きの派手さと雄弁さは評価の別れるところかもしれませんが、圧倒的な説得力を持った演奏です。

ガリード盤 ガブリエル・ガリード指揮/アンサンブル・エリマ
Gabriel Garrido: direction/Ensemble Elyma
 《L'ORFEO》
 1996年録音 (仏)K617 [K61 7066]

ラテン系の歌手による美しく自然なイタリア語による歌唱が印象的な録音。ガリード指揮アンサンブル・エリマによるオーケストラは、当時流行した牧歌劇の様子を見事に再現し、柔らかくて幻想的な雰囲気を醸し出しています。ヤーコプス盤とは対極にある名盤と言えるでしょう。

ピケット盤 フィリップ・ピケット指揮/ニュー・ロンドン・コンソート
Philip Pickett: direction/New London Consort
 《L'ORFEO》
 1991年録音 (英)L'OISEAU-LYRE [433 545-2]

当時の状況を綿密に再現し、初演された場所(ゴンガーザ邸の広間)の広さを前提とした室内楽的な録音。派手さこそありませんが、その分、登場人物の感情の動きにそった、説得力を持ったきびきびとした音楽が展開されています。


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