06ルネサンスの曙
  ギョーム・デュファイ/ミサ・ス・ラ・ファス・エ・パル
  Guillaume Dufay(1400?-1474)/Messa Se la face ay pale

デュファイは、ルネサンス期を通じて音楽をリードし続けたフランドル楽派の初期を代表する音楽家であると同時に、15世紀最大の音楽家のひとりでもあります。

14世紀にギョーム・ド・マショーが通作ミサを作曲して以来、ミサ曲は作曲家にとって主要なジャンルとなっていきました。その中で、作曲家たちはミサ曲の各楽章を統一した音楽技法で作曲するようになっていきます。

各楽章がひとつの音楽的素材(“定旋律”と呼ばれます)で関連づけられたミサ曲を「循環ミサ」と言いますが、15世紀の前半に始まったこの技法は、デュファイによって一応の完成を見ることになります。

「スラ・ファス・エ・パル」は、デュファイ自身が作曲した同名のシャンソンの旋律を使って作曲されたものです。世俗音楽を素材に使いながらも、デュファイの音楽はあくまで高貴でメランコリックに鳴り響き、優雅な祈りの音楽を作り出しています。

音楽史的に重要な作曲家であり、すばらしい曲を多数作曲しているにもにもかかわらず、録音はあまり多くありません。《ミサ・ス・ラ・ファス・エ・パル》もデュファイのみならず、初期フランドル楽派の名曲とされていますが、比較的入手がしやすい録音というと3種類くらいしかありません。


 
【 Reference Disk 】
マンロウ盤 デイヴィッド・マンロウ指揮/ロンドン古楽コンソート
 《ミサ・ス・ラ・ファセ・パル》(デイヴィッド・マンロウの芸術4)
 1973年頃録音 virgin veritas(EMI) [TECO 11027]

ミサ曲と同時に、原曲のシャンソンとオルガン編曲2曲、4声部の器楽合奏用編曲も同時におさめられています。録音の古さをまったく感じさせない美しい演奏で、マンロウの楽曲に対する深い洞察力が充分に発揮されています。この曲に関しては、現在の所この演奏と比較できる録音が無いのが寂しい限りですが、この名盤を比較的安価で、しかも日本語解説付きで購入できるのは幸福な事とだとも言えるでしょう。

* LP時代に、シュミット・ガーデン指揮、テルツ少年合唱団による録音(テイチク[独HM-ULS3201])がありました。ゆっくりしたテンポで劇的な力強さを感じさせる良質の演奏ですが、現在はカタログに見当たりません。


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