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カンティガという言葉は『歌』を意味し、13世紀頃の中世イベリア半島(スペイン、ポルトガル)で歌われていた単旋律の歌曲を指します。そして、「賢王 EL SABIO」と呼ばれたアルファンソ10世(1252-82在位)が直接編纂に関わった《聖母マリアのカンティガ集 CANTIGAS DE SANTA MARIA》は、現存するほぼ唯一のカンティガ集だと言われています。
ポルトガル系のガリシア語で書かれた400曲余りの歌詞の内容は、ほとんどが聖母マリアの奇跡物語です。様々な階層の人々が危機に陥ったり、悪行に溺れそうになったなったときに、聖母マリアが現れて救済したという内容がほとんどを占め、中世の人々の素朴なマリア信仰を彷彿とさせます。
旋律も当時の世俗曲や民謡的なものに基づいていると考えられていて、非常に素朴で親しみやすさがあります。そして、当時のイベリア半島はイスラム文化との交流の地でもありましたから、どことなくアラブ的な雰囲気も漂っています。
中世の楽曲の中でも非常に人気のある曲なので、録音も比較的多い方です。中世音楽を得意とする様々な団体が、それぞれの観点から曲目を選び、伴奏楽器や伴奏方法を工夫して録音をしています。それぞれに個性的で興味深く、選ぶにもなかなか苦労をします。
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