【問題番号】 D-49 【質問内容】 側頚嚢胞はどうやって否定できるのですか? 【問題文】 32歳の女性。右頸部の腫瘤を主訴に来院した。10年前から腫瘤に気付いていた。腫瘤は徐々に増大傾向にあるという。腫瘤の表面は平滑、可動性良好で、圧痛を認めない。顔面神経麻痺を認めない。頭頚部MRIのT1強調軸位断像(別冊No.20)を別に示す。  診断として最も考えられるのはどれか。  a 側頸嚢胞  b 顎下腺腫瘍  c 甲状腺腫瘍  d 耳下腺腫瘍  e 正中頸嚢胞 【疾患名】 耳下腺腫瘍 【解答】 d 【質問への回答】 この症例では頬骨が写っていることから腫瘍の位置は耳下腺の可能性がありますが、ご指摘のとおり側頸嚢胞も鑑別にあがります。標準形成外科第5版p.140によると「側頸部の上方1/3、胸鎖乳突筋前縁を中心に存在する」とあり、画像の位置は好発部位ではありません。また口腔外科第3版p.319によると「本嚢胞はおもに頚動脈分岐の高さで胸鎖乳突筋の前縁、深部にみられるが、まれに胸鎖乳突筋に沿って上方では耳介前方部、下方では鎖骨上部にも発生する」とあり、画像の位置での側頸嚢胞の発生はまれであると記述されています。以上の記述から耳下腺腫瘍を選びました。なお、側頸嚢胞と耳下腺腫瘍は画像上では濃淡などのちがいは認められないとあります。 【参考文献・記載ページ】 標準形成外科第5版p.140 口腔外科第3版p.319 【確認】