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先程迄、薄暗い陰湿な地下牢に居たと言うのにも関わらず、 気付いたら大広間に突っ立っていた。腕に、青白い肌で不気味で皆から邪見に思われている(スリザリンを除く)先生から 持って来るようにぱしられ・・・頼まれた教材を抱え込んだままで。 ていうか大体何故スリザリンの生徒でも大嫌いなポッター君でもなく私なのだ。 あまり接点が無いでしょう。成績が優秀でも劣等でも無しで平平凡凡な私をどうしてチョイスしたのか 至極丁寧に優しく(・・・無理そうだな)教えて貰いたい。この状況を打破したらの話だけれども。 この状況に陥った原因を脳内で大捜索してみたけれどもそもそも此処は魔法学校だ。 何が遭ってもおかしくない。キメラ動物っぽいのはたくさんいるし幽霊は普通に廊下で騒がしく歩いてるし 絵はじっと止まってないし歌いだすし其の歌声は聞けたもんじゃないしチョコは蛙と来た!(入学式前に其れで泣きました。だって蛙嫌い!) とりあえず、落ち着こう。5年間此処に居て初体験だけれどももしかしたら今まで この状況にならなかっただけであって他の生徒は何度も体験してたのかもしれない。 フレッドとジョージからそんな事一言も聞いてないけど あいつ等は自分が心底気に入った事が遭ったら自分達だけの秘密にするから 私に話してくれなかったのかもしれない。 うん、そうだよね!よしじゃあまず先生にこの教材を渡しに会いに行こう。 そう思い立って、暫く止めていた足を動かせる。 たくさんの生徒が混み合う広間は出るにも大変で縺れながら広間から出ようとするけれど 生徒に押し出されてなかなか出口の扉に辿り着けない。 すみませェェん、通してくださァいィと声を張り上げても素知らぬ顔で押し合うものだから 相変わらず日本人は主張するのが弱いということを思い知らされる。 いつもだったら私の友人が文句を言いつつも手を引いてくれたので助かっていたのだけれど 今回は彼女が傍にいないのであの押し合う空間に飛び込む勇気がなかった。 この時友達の大切さが身に染みるよ。いやそれよりも日頃から自分で行動しなければ駄目だよね!いつまでも 頼りきりは悪いしね!・・・でもやっぱり友達に頼らないと駄目だ(意志が弱くてゴメンナサイ) 何処かに友達が居ないだろうかとおろおろしながら出入り口を見ていると不意に此方を見ている生徒がいることに 気付いて目線がかち合う。 其は直に逸らされてしまったけれどもこの状況下で一人は物悲しく思い切って話し掛けた。 私が声をかけた途端に上げられた顔は迷惑極まりないといった表情で途端にあの先生を連想してしまったけれど。(だってあの人に私が話し掛けたらそんな表情をするんだ) 「え、ええ、と・・・こ・・・混んでるよね・・・」 「・・・ふん、グリフィンドールか。」 「(うわ今こいつ鼻で笑ったよ!)ハイハイすいませんねーこっちもなりたくてなったわけじゃあないんですよー?」 さっきまで話をするのに気が引けていたのが、彼の一言によって遠慮するのを忘れる。 こういうタイプには無性に食って掛かりたくなるのは何故だろう。 友達に「アンタの絡み、見てて面白いけど本人は溜まったもんじゃないわよね。私だったら殴る」と言われてしまう始末だし。(殴るって…) 違うんだよ、なんかああいう態度取られるとこんな事いったらどんな反応するのかなーって グリフィンドールが誇る好奇心が疼いてついつい絡んでしまうのだよ。 特にマルフォイ君は良いな、青さがあって癇癪を起こす様は猫みたいで凄く可愛かった。 ・・・こういう所を友達が言ってるのだろうか? 見境なしに絡むのでグリフィンドールだからどうのスリザリンだからどうのこうの、という 寮の反発に加担する筈も無くこの青年がスリザリンという事は特に気にしてはいない。 なので嫌悪を抱く事無く必死で生徒同士の押し合いの中を潜る彼の背中を 追いかける。歩き方がまるで蜘蛛のような所がますます先生を思い出させて親戚か何か?と一瞬疑ってしまった。 そういえば青年の姿も先生に似ているような。 「、ねぇねぇ、青年、君何年生・・っ?」 「(青年て・・)・・・・5年。」 「(へえ同学年かあー。見たら絶対に忘れないタイプなんだけどなー)」 「・・・ローブの裾を掴むな!」 「いいじゃんけちータメなんだしさー」 「タメは関係ないだろう!・・・待て、同学年だと?にしては見かけない顔だな」 押しだされそうになって青年のローブの裾を掴めば青年は思い切り眉を顰めて見せた。 うわあ嫌そうな顔!しかしながらそれでもせっかくできた話し相手をこのまま見失うわけにもいかず、 唯一の手綱ともいえるローブの裾を掴み続ければ青年は溜息を吐く素振りを見せる。 ・・・流石にへこたれてきた・・・! 青年と話を交わそうと話題を探して思いつく質問を上げれば青年は沈黙の後に答えてくれた。 何だかんだいっても答えてくれる青年に小さく感動していたけれども何だか会話が噛みあっていないような違和感に襲われる。 彼は5年生。あたしも5年生。だけど見かけたことのない顔。スリザリンとグリフィンドールは何かと合同授業が重なるし 1年生の時から5年間もいて一度も見たことがないというのは妙な話だ。 「・・・え、と・・・名前・・は?」 「名前を名乗る時には自分から名乗るものだ」 「(ええ!?そこんとこは礼儀をわきまえてるの!?)・。」 「セブルス・スネイプだ。」 長い沈黙が流れたと思う。実際には少ししかなかったかもしれないけれど、 私には長いこと感じられた。 思わず立ち止まってしまった途端にローブを掴む手を離してしまい、 幾人かが突然立ち止まる私とぶつかった。ぶつかる度に舌打ちされる音が聞こえたけれども 急に置かれた状況がわかってしまってまるで氷付けされたようにそこから一歩も動けなかった。 セブルス、と名乗る青年はあの陰湿な先生と同姓同名でおまけに姿も似てる。 私を不審そうに振り返って立ち止まる青年はやはり何処からどう見てもあの先生を若くしたようにしか見えない。 あれご本人? 先生が若返り薬を飲んだ?いやそれは少しピントが合わない気がする。 あまり年は気にしていない素振りだったし(いや分からないけど) 暫く云云考えてはっと頭の中で閃く。もしかして自分は軽く時を越えてしまったと? 頭の隅で可笑しそうに笑う校長が見えた気がして突然頭が痛くなった。 いや校長先生が過去に人を飛ばすことができるかどうかは不明だけどあの人ならしそうで怖い。 というか今現在先生の過去に来ちゃってる自分が早速先生と接点を持っちゃったのが怖い。 今まで接点なんか全く無かったのに! 「馴れ馴れしくローブの裾掴んでしまってすみませんでしたああああ!!!!全力で謝ります なんならスライディング土下座をしてもいいですだから元の時代に返してくださいいいいい!!!!」 「・・・は?」 15歳という年齢の先生は馬鹿を見るような目で此方を見下ろしていました。(もしかして現在と第一印象変わらず?) |