Deep Sea/Text






制服




2限目の休み時間、ざわつく教室内で、一人、気むずかしげに眉間にシワを寄せ
席で腕組みをしながら、手塚は悩んでいた。

ごく普通に考えれば、恋愛感情とは異性に向くはずであり、
世間的にはだいぶ認められる様になったとはいえ、
自分がまさか・・・と、ずいぶんと長い時間考えてきた。

仲間としての好き、友達としての好き、極自然に好き、ただ好き。
(これで不二が女子だったら、何の問題もないのか?)
ふと、青学の女子制服の不二を想像してみた。
(・・・・・・・・・・似合うな。)
ほんのわずか、口元が緩んだ。

「・・・部長。何、にやけてるんスか?」
自分の机の下からのぞき込む様に、ちんまりとリョーマが頭を出した。

「越前!! さ、3年の教室で何をしている?」
「会いに来た。」
「?」
「だから、部長に会いに来た。」

あまりにストレートに言われたので、さすがの俺も返事に詰まった。
しかも、よからぬ想像中に不意を付かれる形となったので、
いつもの俺になれない。。。。。いつもの俺って?

「おチビ!こんなトコで何やってんだ?」
「あ、菊丸先輩に・・・不二先輩・・・・なんスか?その格好???」
「あはは、やっぱり変だよね?ほら、英二!やっぱり変なんだよ。」
「そっかなー?不二はいいと思うけどにゃー。ねぇ、手塚?」

俺は固まっていた。

「ど、どおかな?」

恥じらうな!頬を染めるな!小首をかしげるなっ!!
眩暈がした。。。さっきの想像通りで。「大石にも見せてこよーっと!んぢゃね〜」とスカートを翻して
菊丸はさっさと行ってしまった。
「不二先輩、なんでそんな女子の制服なんて着てんスか?」
「いや、英二が面白がってさ・・・着替えてくるよ。手塚、また後でね。」ふわりとスカートがめくれると、細めの太ももと膝小僧がちらりと見えた。
もお、駄目だと思った。

「不二っ!!」
「は、はいっ!?」
勢いよく立ち上がった俺に、慌てて不二はふり返る。
頼む。頼むから。。。。

「ちょっと、こっちに来いっ!越前は、自分の教室に戻れ!」
「ちぇっ、わかりました。んぢゃ、不二先輩、また。結構似合うね、それ。」
「ありがとうって、言うべき?」
「どっちでも。それじゃ。」

西側の人気の少ない屋上へと続く階段に、二人は向かい合わせで
座り込んでいた。

「ふふ、びっくりした?」
「・・・した。」
「可愛いと思った?」
「・・・思った。」
「今日は素直だね。」
「・・・悪いか?」
「全然。」

「頼むから、あんまり他のヤツラにそんな姿見せないでくれ。」
「それは、お願いって事?」
「いや、命令。」
「手塚、生意気!!」
「黙れ。おまえが悪い。」
めずらしく強引に、手塚から不二の唇に重ねる。何時もと違う服装に俺は、いつもの俺じゃなかった。。。
薄い下唇の感触も、柔らかい舌も、何時と変わらないのに。
「駄目だよっ!!手塚、授業始まっちゃうよ。僕、着替えもしないと。」
「・・・・。」黙って、リボンをほどきにかかる。
舌を這わせた首筋が、ほんのり上気していく様に、ますます俺は困惑した。

「わかった!!わかったから!!とりあえず、待って!!」
胸元を押さえながら、真っ赤な顔の不二は、
「どうすんの?この格好で僕がするの?」と呟いた。
「えっ!?あ、ああ…そうか。」
冷静に考えてみれば、それはちょっとと悩んでいると

「女に犯される手塚かぁ・・・くすっ、いいかもね。」不二が楽しそうに微笑んだその時に、授業開始のチャイムが鳴った。
「・・・・それじゃあ、始めようか、手塚。」

もしかして、この制服・・・仕組まれたものなのか?と頭を過ったが
すぐにそんな事を考える暇は無くなった。
いつもの通りに・・・・。

END



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