Deep Sea/Text






覚醒/2




テレビの画面の中では、勇者が足踏み続けていた。
箱庭のフィールドで行き場を失った勇者。
−まるで今の俺みたいだな…英二がいないと動けないなんて。
軽快な電子音が、しばらく二人の間に流れていた。

「さっきはごめん。怒鳴ったりして。俺もちょっとアレだったからさ」
大五郎を引き寄せながら、気恥ずかしそうに菊丸は笑った。
それはいつもの笑顔となんら変わりがなく、大石は和らいでいく自分を感じていた。
菊丸は一抱えもある熊のぬいぐるみ大五郎を後ろから抱きかかえると、両腕を持ち上げながら、何やらバタバタと動かし始めた。
「そんじゃ、大五郎せんせいが丁寧に教えてあげましょう〜教えて!大五郎せんせいっ!」
「…ははは」
「はい、そこ真面目に聞きなさい!」
「…すいません」

「それではまず質問から」……菊丸の大きな瞳が意味ありげに輝いた。
「はい」一応、真面目なふりをして返事をする。
「大石君は、菊丸君でヌイたことありますか?」
第一問目から面喰らった大石は、「はいっ??」と頭の上から出る様な声で応えた。
「英二、ヌクってあれの事か?」
念のため確認をする。うんうんと菊丸は頷いた。

菊丸が言うには、頭は理性、心は気持ち、ふたつが喧嘩するなら最後は、身体に聞くしかないという事らしい。身体つまり本能で拒否されなければ、それが正解のはず。「俺はそうだったもーん」と重大な問題の割にあっさりと菊丸は結論を出していた。

「だから・・・これから俺が触っても平気だったら平気。駄目だったら駄目にしよ」
「ちょ、ちょっと待って、英二。触るってどこだよっ!!」
「え??顔とか、首とか・・・手なんていつも触るから意味ないじゃん」
「…あ、ああ、そおか。それなら解る」
「どこだと思ってんだよ、大石っ!!」
「………悪い」
真っ赤な顔で、大石は俯いた。

「駄目だったら、すぐに言えよ」
そう言って、菊丸は大石に指を伸ばしていった。首筋に指を這わせて、ゆっくりと顎に向かって上げていく。ゾクゾクと寒気とは違う何かが大石の背中を走り抜ける。思わず目をつむると、指ではない柔らかいものが首に触れる。
「平気?」
首筋に息がかかる。
「……う、うん」
その返事と同時に、今度は湿った感触も合わさり、耳元まで這い上がる。
ちらりと、薄目を開けるとすぐ横に菊丸の髪と絆創膏が見えた。
頬に目に額に、次々に菊丸の唇が触れていく。呼吸と体温が上がっていくのが、はっきりとわかる。
声を出さない様に、必死になる自分の喉がそろそろ辛くなってきていた。

唇は顔に、手は上半身に、執拗に絡み付く。しかし2つとも肝心な部分に中々触れてはくれない。
じれったさにジンジンと身体が身じろぐ。
「…え、英二」
懇願する様な声色に、自分でも驚く。
なんでこんなに欲しいんだろう。身体が頭がすべてが、英二が欲しいと言ってる。
何が欲しいのかもわからないのに、ただただ『英二が欲しい』それだけを思っている。
すがりつく菊丸のシャツを両手で握りしめながら、大石は菊丸の胸に顔を埋めていった。

「…大石」と呟くと菊丸は、きゅっと抱きしめ、わすがな隙間から右手を下半身に忍び込ませた。
ビクン!!と大石の身体が反応する。
「だ・・・駄目だよ、英二っ!!そこは・・・」
やっとの思いで声を振り絞り大石は言った。

「拒否ならちゃんとしてって言ったよね。そんなの全然っ駄目の意味に聞こえないよっ!!」
言うと同時に、力強く唇で唇が塞がれ、右手は躊躇なく核心部を探り当てた。
跳ね上がる快感が、それを待ち焦がれていた自分を自覚させ思わず声が漏れた。
湿り気を帯びた籠った空気の中を菊丸の指が動くたびに、今まで知らなかった快感が大石の全身を貫いた。小刻みに揺れる膝と、反り返る背中。絶えまなく全身に走る、甘い疼きが呼吸をどんどん速めていった。
「俺、こんなすごいヤツ触んの。自分以外で初めてだよ」
菊丸の言葉とカチャカチャとなるベルトの音が、大石の羞恥心をますます助長させた。
自分の指とは違う動きに翻弄され、内股を流れる汗の不快感させ感じなかった。

「ねえ、大石ぃ。見てもいい?」
菊丸は子供がお菓子をねだる様に耳もとで囁いた。



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ごめんなさい。まだ終わらないし。。。エロは難しいね。精進します(泣)
少しは「エロいなぁ」とか思って貰えると嬉しいなぁ。



モドル
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