「ふー疲れた」
「大丈夫ですか?神子殿」
そんな声で振向くと、私の大好きな頼久さん。
「大丈夫ですよ!」
「それならばよろしいのですが…あまり無理をなさらないで下さい」
「はーい」
そんな会話を交しながら、京の平和を取り戻すためにがんばっていた。



 そんなある日…
昨日は雨の中で『力の具象化』や『怨霊退治』でかなりまいっていた。
そして今日の無理がたたり・・・目の前真っ暗。
倒れてしまいそうになったのを、頼久さんに助けてもらっていた。
「神子殿!神子殿!」
そんな声を聞きながら、私は深い闇の中に落ちて行った。



 どれくらいたったのだろう・・・
私は木漏れ日の中で横になっていた。
横には心配そうな顔で私を見ている頼久さん。
私が気づいたとわかり、ポッとした感じ。
「神子殿、無理をなさらないで下さい」
「ごめんなさい、頼久さん」
「いえ。神子殿の御様子に気づけなかった私も悪いのです。御気分は?」
「もう大丈夫です」
それでも心配そうな頼久さん。
「失礼します」
と大きな手が私の額にそっと触れた。
「まだ熱があるようです。今日はお屋敷に戻られたは?」
これ以上頼久さんを困らせるわけにはいけないと思って、
今日はお屋敷に戻ることにした。
帰りも大丈夫だと言う私に
「いけません!」
とずっと背中に背負っていてくれた。



 お屋敷に着いて私を見た藤姫。
「まあ!神子様どうなさったのですか?すぐに御床の用意をして参ります」
と言って、足早に行ってしまった。
「頼久さんもういいですよ!お屋敷に着いたのに…」
「いいえ。お部屋まで御送りいたします」
でも…と言っていながらも
胸の鼓動は留まる事を知らないで、早鐘のように響いている…
「どうか気づかれませんように!」
と心の中で祈っていた。


「薬師によりますと、お疲れ気味のお体に昨日の雨で倒れられたようです。
 神子様、お疲れならばちゃんと私に言ってくださいませね」
「はーい。気をつけま〜す」
「それではごゆっくりお休みください…失礼します」
と藤姫達は退出して行った。
 熱のせいで辛かったけど、久しぶりの休息にとてもリラックスしていた。
このところのハードなスケジュールで、かなりまいっていたからだ。



 長い間眠っていたせいか、外はすっかり日が落ち真っ暗になっていた。
「神子殿御気分は?なにか御用はございませんか?」
その声の主は頼久さんであった。手には小さな桶を持っている。
「ずっと付いていてくれたんですか?」
「はい。藤姫様に御無理を聞いて頂いて…
 汗をかかれていますね。藤姫様に替えの衣を持って来ていただきましょう」
そう言って部屋を出て行こうとする頼久さんを呼び止めてしまった。
「どうなさいました神子殿?」
どうして呼び止めてしまったのだろう。
沈黙の中で私は考えていた。……そう夢のせいだと思った。
 その中で私は、頼久さんを美しい女の人に取られてしまう夢を見ていた。
追いかけても、追いかけても頼久さんは振向いてはくれずに、
どんどんその女の人と一緒に行ってしまうものだった。
「神子殿?」
と言う声で我に戻った私は、急に涙が出て来てしまった。
流れ出した涙を止めようとしても、後から後から流れてきてしまう。
そんな様子に頼久さんは、私を抱きしめてくれた。
「頼久さん」
と声を掛けていた。
「そのように…そのように涙を見てしまうと、どうしていいのか。
 どうか泣き止んでください」
とても頼久さんのやさしさが伝わってきた。


 頼久さんはもう平気だと言う私を、なかなか離してはくれなかった。
ゆっくりと時間だけが過ぎてゆく・・・耳元で声がした。
「・・・したくない」
「えっ?」
「離したくない!もう二度と・・・」
「頼久さん?」
「主だと言うことは分かっています。
 主にこんな浅ましい思いを抱いてはいけないと言うことも・・・
 それは出来なかった。神子殿は御迷惑かもしれない。でも言わせて下さい。
 ・・・・・・・・・・好きです」
この言葉に私も嬉しくなってしまった。
こんなにも私を愛してくれている人がいる・・・それも自分の好きな人に・・・
「私も…私も好きです」
それを聞いた頼久さんは、私のあごを少し持ち上げるとやさしく口づけしてくれた。
触れるか触れないか分からないくらいの口づけだった。
「うれしいです。そのような御言葉を頂いて」
そう言ってまたやさしく抱きしめてくれた。
私はその腕の中で心地よく響く鼓動を聞いていた・・・


「失礼します」
こんな時まで几帳面な頼久さんがいとおしく思えた・・・
外は季節外れの雷雨になっていたが、そんなことはどうでもよくなってしまった。
                  ・・・愛しい人に愛されて・・・・・







頼久さんとあかねちゃんの小説第二弾!!有り難うございまする〜♪
ふふvこっちまで赤面してしまうくらいラブラブな2人ですな〜(^◯^)羨ましい〜
頼久さんの優しさが伝わってくるようですv 遙か世界の雨の日ってすごい好きなんだよな〜、私。

                                      by.ちょま





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