…うそだろう? 勝真は、思わず天を仰いだ。 _確かに、今日は、プ−ルに行った。 だから、疲れているのもわかるし、 「最近、よく眠れないんですよね。」 そう言っていたのも、知っている。 だが! だが!である。 何度も来ているからといっても、ここは、男性の部屋。 しかも、一人暮らしである。 「どうして、寝ているんだ…。」 _ほんの少し、手洗いに立った隙に、少女は床に座り そのまま、ベットに背を預け、気持ちよさそうに眠っていたのである。 +しゃがんで、確認する。 「おい、花梨。」 軽く、頬をたたく。 「花梨、起きろ。」 少し、頬をつねる。 だが、反応ナシ。 規則正しい寝息が返ってくるだけである。 呆れて、ものも言えない。 無防備にも程がある。 大きくため息をついた後、ベットの上のタオルケットを花梨のすぐそばに敷く。 このままだと、いずれ倒れてしまうだろう。 ならば。 ゆっくりと、その身体をタオルケットの上に倒すと その上にもう一枚、タオルケットをかけてやる。 体勢の変化に、少し身動きしたようだが、それまでである。 結局、そのまま、すやすやと眠り続けるようだ。 _…なんとなく、不満だった。 _最近、男性として、見られていないのだろうか? それとも、安心できる相手という認識になっているのだろうか? …嬉しいのか、悲しいのか、どうも微妙なところである。 _こうしていても、しょうがない。 キッチンに行って、冷蔵庫から水の入ったボトルを取り出して じかに口をつける。 運動した後だからか、面白いように入ってゆく。 _しかし、それにしても、だ。 安心されるというのも、考えものだ。 ボトルを元に戻しながら、考える。 子供なのか?大人なのか? どうも、自分が考えているよりも成長していないような気がする。 _部屋の窓を半分から全開にする。 風のよく通る部屋でよかった。 さわやかな風が、髪を揺らしては去ってゆく。 しばし、涼んだ後、花梨の近くに座る。 _規則正しい寝息を立てて眠る少女。 タオルケットからのぞいている横顔、細い首筋。 そっと触れてみる。 どうして、こんなに柔らかいのだろう? 暖かさまで、男とは違うような気がしてならない。 _誰も見ていないことは、わかっている。 見ているのは自分のみ。 暖かい頬に唇をそっと、そう、そっと押し当てて、上体を起こす。 …これくらい、いいだろうと、己に言い聞かせるのが少しせつない。 _でも、こんな日だって悪くはない。 愛しい少女のそばにいることのできる自分。 そして、静かに流れてゆく時間。 _隣に並んで、自分もベットに背をあずけてみる。 確かに、寝入ってしまうのも無理ない。 身体は程よく疲れ、風は心地よい。 _勝真は、目を閉じた。 ++++++++++++_「ん…。」 少しうめいて、花梨は目を覚ました。 いつのまにか、眠っていたらしい。 そして、妙なことに気がついた。 (確か、座っていたんだけど?) どう見ても、今、自分は床に横たわっている。 しかも、下には、ご丁寧にも、タオルケットが敷いてある。 身体の上には、同じくタオルケットが。 これは…?? 不思議に思って、身体を起こして、びっくりした。 「か…」 声を出そうとして、あわてて、口を閉じる。 いけない、いけない。 隣に座ったまま、どうみても、ぐっすり寝入っている勝真が いたからである。そして、理解した。 (これ、勝真さんが、してくれたんだ…) 見ていると、横にゆれては元に戻り、また、横にゆれて元に戻る。 無防備に眠っている、自分よりも年上の男。 花梨は、くすくす笑い、 タオルケットを身体に巻きつけて、勝真の横にぴったりと寄り添った。 これで、もう倒れる心配はないだろう。 そして、巻きつけたタオルケットを解いて、勝真の身体にもかけてやる。 _身体をすりよせて、寝顔を下からのぞきこむ。 (…かわいいって言ったら、おこるかな?) 誰も見てないよね? そう、見ているのは自分だけ。 子犬が鼻先をすりつけるように、頬に唇をつける。 そして、ちろりと舌でなめてみる。 照れ笑いを浮かべ、高まる鼓動を心地よく感じながら、花梨は目を閉じた。 _澄んだ音が、する。 どこか遠くで、風鈴が鳴っているようだ。 _さわやかな初夏の風が、眠る二人の髪を揺らして、部屋の中を通り抜けていった。
あかがねさん!有り難うございました〜♪ リクエストをさせていただく時は「泰明×あかね」とも考えたんですが、 どうしても「勝真×花梨」の甘々が読みたかったんでー(>▽<) も〜!期待通りのラブラブ小説です〜(*^▽^*) 二人にピッタリな爽やかな雰囲気が素敵すぎですvv 自分で勝手に映像化しちゃいますよ〜(笑) そういえば勝真×花梨ってあまり他で見ないかも?? この小説は私の宝物で〜すvv by.ちょま

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