
| 長い笛が鳴る。――今日の練習はこれで終わりだ。 香穂との待ち合わせは1時だから、 家に帰ってシャワーを浴びるくらいの余裕はありそうだ。 部室に戻って、着替えていると、長柄先輩がやってきて、 「これ、火原から」 「火原先輩から?」 「そうだよ。――今朝、うちまで届けにきた。 火原先輩が俺に何の用なんだろう。 土浦へ 香穂ちゃんは預かった。 出来れば、水着なんか持ってくるといいと思うよ。
ご丁寧に地図まで入ってる。 家に戻った俺は、急いでシャワーを浴びて荷物をまとめると、 海についた俺は、同封された地図を見ながら目的地を探した。 「・・・この地図、火原先輩作かな・・・」 大雑把すぎて、場所が特定できない。 「あ、梁〜!!こっちこっち!」 「香穂・・・」 「思ったより早かったね。先輩たちが 「ちょっと待て。何がどうなってるのか説明してくれ」 「へ?」 きょとんとする香穂に、火原先輩からの手紙を見せた。 どうやら、先輩たちが俺の誕生日だって知って、 「ね、早くいこ!ケーキも焼いたんだから!」 香穂に引っ張られて、俺たちは柚木先輩の別荘に向かった。 別荘に着くと、予想どおりの歓迎を受けた。 香穂が作ったケーキと、冬海の手料理(香穂も手伝ったらしい)を食べた。 志水からは楽譜をもらった。 月森は・・・今日は来ていないので何もなし。 火原先輩からは、映画のチケット2枚。 そして。柚木先輩は、プライベートビーチを貸してくれるという。 「うん!」 大きな海、白い砂浜。――誰もいない、二人だけの空間。 「香穂」 「ん?」 手を繋いで香穂を引き寄せると、耳元で囁いた。 「――他にもプレゼント欲しい」 今日だけでもいい。俺のワガママ、聞いてくれ。
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