キミのその白い手に手を差し伸べる
それは本当に冷たく、あの時の温もりはなくて、
僕の体温とキミの温度の差に僕は思わず泣きそうになった
そして、そっと手を引いた

キミのその白い骨が僕の目の前にある
肉の無い長い指が僕に手を差し伸べているようで、
僕は思わずその手をとった

これから何処へ行こうか
僕が問いかけてもキミは何も答えなかった

このままふたりで終焉まで行こうか
キミの片頬が緩く笑った気がした


「呪われた辺境へようこそ!」
男はけたたましく笑いながら会釈をした。
黒い背広に黒のネクタイ。まるで葬式に行くかのような服装だった。最も奇妙な事は男の顔が白い仮面で半分隠れている事だった。口許と目だけが露になっているがそれだけでは表情は伺えない。
男に対峙するかのように男の目の前に立っていた少年の顔は強張っていた。この男に近付いてはダメだ。頭の中で警報がそう鳴り響いた瞬間少年は男の前から逃げ出した。
何処まで逃げても男の笑い声が聞こえる。そのうち少年は疲れ果てて地べたに転がった。その時、男の笑い声が鳴り止んでいる事に少年は初めて気づいた。ほっと胸を撫で下ろす。
「また君に出会えて嬉しいよ!」
少年は目を見開いた。男の骨が少年が横たわる地べたに埋まっていたのだ。男の奇怪な笑いがその場に溢れた。
白い腕が土から這い上がり、少年に包丁を突き出した。それは少年の喉下をかすめた。肌に血がにじむ。顔は埋まって見えないが、男の口端がつり上がったようなそんな気配がした。
2style.net