「ユーキ」


「‥あ。起きたんだ」


ベランダの縁に凭れて夜空を見上げていたら、寝起きの恵が少しばかり眉を顰めてベランダに出てきた


「どしたの、そんな顔して」

険しい顔してる割には、少しハネた黒髪が可愛いけど。


「起きたらいないから、いなくなったかと思った」



少し痛む腰を抱き寄せられると、微かに鼻腔をくすぐる恵の雄の匂い。
生々しいそれに、嫌でも先程の行為が思い出された。少だけ、頬が熱くなる




じっとりと触れ合う肌が少し気になったけど、耳に吹きかかる安堵の溜息が、俺を心地よくさせる。



「ずっとここにいたのに、‥ていうかここ俺ん家だし、いなくなる訳ないじゃん」


そう言って見上げればすぐ
唇に恵の体温が重ねられた

「…‥」


「‥ん、ン…恵?どしたの、」



「好きだよユーキ」



唇が離れ、俺の言葉はまた強く抱きしめてきた彼に遮られる


大袈裟なんだよばか、なんて言って余裕ぶっている俺の心臓が、


破けてしまうんじゃないかって程高鳴ってることに
どうか恵が気付きませんように。











おわり



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